過去ログ - 勇者「時代は変わり」魔王「風と共に去りぬ」
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168: ◆2GCrAwA30Q[saga]
2012/10/14(日) 22:36:37.42 ID:J1JIPEdU0

――時間は戻って大陸暦1864年
――北方中都 郊外

勇者中尉「……」

勇者中尉は無言で、舐める様に燃える北方中都を凝視していた。
双眼鏡のレンズ越しに見えるのは、城壁越しに見える黒煙と火柱である。
見る所、主に燃えているのは東市街の方で、河を挟んだ対岸の西市街には、
まだ火の手は及んでいないようであった。

曹長「……隊長殿!」

隣でテレスコープを覗きこんでいた曹長が、
勇者中尉の肩を叩きつつ、何処かを指差した。
その人差し指の示す先を、勇者中尉もまた見る。

勇者中尉「あれは……第20歩兵連隊か」

東市街を囲む市壁より延びた『半月堡』に、第20歩兵連隊の連隊旗が翻っている。
ここを攻め落とさんと、ゴブリンの突撃部隊が大地を埋め尽くさんばかりの数で押し寄せ、
それを迎撃せんと歩兵達はライフル銃を撃ち続ける。黒色火薬の白煙に半月堡と歩兵達は包まれているのが見えた。

『半月堡』とは、いわゆる『出丸』のようなもので、ここを突破しない限り、市街には魔族軍は入る事が出来ない。
それだけに、攻める側も守る側も必死であった。



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