過去ログ - 勇者「時代は変わり」魔王「風と共に去りぬ」
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225: ◆2GCrAwA30Q[saga ]
2012/12/25(火) 19:34:19.29 ID:tbscooCH0

部下一同『撃てぇェェッ!』
部下一同『殺せぇェェッ!』

――ズドドドドドドドォォォォォンッ!

指揮官たる俺の予告なしの射撃に釣られて、曹長のような一部の古参兵を除いた部下達が一斉に射撃を開始する。
しかも、釣られての咄嗟の射撃であった為に、狙いが不正確なばかりか、照尺も合っていない射撃である。
当然、敵には有効な損害を殆ど与えられない。

曹長「バカッ!誰が撃てと言ったかッ!?」

冷静沈着な曹長が思わず怒鳴っているのが聞こえる。
本来であれば、指揮官である俺が言うべき言葉だ。

しかし、この一件の引き金を引いたのは俺自身なのだ。
俺に釣られて、普段は落ち着いた副官少尉ですら、思わずの射撃を行ってしまっていた。

黒色火薬の銃は音と煙を良く吐き出す。
音と、特に煙とその臭いにより、容易に撃ったこちらの位置を知られてしまう。
だからこそ、狙撃を不意打ち待ち伏せをする際は細心の注意が必要なのだ。
にも関わらず俺は――

勇者中尉「糞ッたれがッ!」

思わず俺は自分自身に対しそう叫んだが、後の祭りだ。
敵に、こちらの位置を知られてしまったのだ。

敵の騎兵隊長と思しきリザードマンが鬨の声を上げ、こっちへと全力疾走してくるのが見えるッ!

何と言う失態か。
現代の軍隊においてスタンドプレーは厳禁であり、特に指揮官のそれは最悪と言っていいと言うのに……
やはり、冷静になったつもりでなりきれていなかったのか、自分でも信じられないミスだ!

――しかし、敵は俺がその失敗を後悔する時間すら与えてくれはしないッ!
怒濤の敵の突撃は、見る間に迫って来るッ!



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