過去ログ - 勇者「時代は変わり」魔王「風と共に去りぬ」
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266: ◆2GCrAwA30Q[saga]
2013/02/02(土) 20:29:10.65 ID:+5rn8nLL0

副官少尉の眼に、望遠鏡越しに見える敵の姿は、近づいて来るにつれて大きくなっていく。

一見するだけで、敵は装備が良いのが解る。

種としての思想信条が為に、敢えて軽装で戦場に赴く上級の魔族を除けば、
装備が良い程に部隊の精強さも増して行くのは人間も魔族も同じだ。

副官少尉「……あれは、『スィパーヒー』か」

大型の駱鳥に跨るのは、全身を鋼の鎧で覆った青黒い肌の巨人……オーク種である。
オークは魔族のヒエラルキーの中でも、中の上とでも評すべき位置にいる種族で、
その外見は、何処となく類人猿染みた風貌に、青黒い肌、やや先の尖った耳、平均2メートルの巨人である。

良くオークは風貌の醜い種族と言われるが、それはゴブリンと混同されたが故の誤解で、
顔立ちは猿染みてはいるものの、必ずしも醜いとは言えず、むしろ剽悍さを感じさせる者が多い。

リザードマンと同じく、魔族軍では精鋭部隊を占めている事が多く、
中でもスィパーヒーは、人間の軍隊で言う所のエリート槍騎兵で、今なお戦場の花形兵種であるのだ。

スィパーヒーの一隊は、副官少尉らの立てこもる民家より、
数百メートル離れた場所で止まり、横隊の形を採った。

ライフルカービンの有効射程内だが、しかしスコープ無しでこの距離で命中させるのは実際厳しいだろう。

そしてスコープ付きのライフルは、近年になって登場した新兵装である。
エリートで構成された実験部隊である『実験ライフル連隊』を除けば、支給されている隊は殆ど無い。
当然、こんな辺境部隊にはスコープ付きの銃などある筈も無かった。



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