過去ログ - 勇者「時代は変わり」魔王「風と共に去りぬ」
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◆2GCrAwA30Q
[saga]
2012/09/01(土) 21:39:09.05 ID:YUzVCn9G0
曹長「命拾いしたようですな」
制帽を脱ぎ、額の汗をぬぐう曹長のそんな言葉を聞きながら、
なるほど、そうに違いない、と俺は思った。
――敵が臆病なゴブリンだからこそ、できた無茶だった。
大声と銃剣と火薬の煙、そして最新式の六連発拳銃が、この勝利をもたらした物と言えるだろう。
ゴブリン共の潰走を確認した直後、俺の足腰より力は抜け、
俺は地べたにヘナヘナと座りこんでしまい、立つ事が出来なくなっていた。
直ぐ脇には、手より力無く零れ落ちた、伝家のサーベルが転がっている。
その切っ先は、ゴブリンの緑色の血に染まっていた。
ゴブリンの血は酷く臭い。後でちゃんと拭っておかねばならないだろう。
今は、それをする元気も無いが。
曹長「……休むのも結構ですが、いい加減動きませんと」
曹長「敵が再結集して、戻って来ないとも限らない」
曹長「とにかく、地域住民を避難させませんと」
流石に曹長は平然とし、疲れている様子も見えない。
もう老兵と言っても良い年齢だが、矍鑠とした姿は、やはり古参兵ならではだ。
普段から助けられてはいるが、こういう時は一層、頼もしかった。
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