過去ログ - 勇者「時代は変わり」魔王「風と共に去りぬ」
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55: ◆2GCrAwA30Q[saga]
2012/09/01(土) 21:46:16.09 ID:YUzVCn9G0

気持ちのよい返事と敬礼の後、副官少尉が述べた報告の内容は、
簡潔に書けば以下の様になる。

俺達の分隊が出撃してより暫時後、俺達の向かった場所とは違う区画の村から、
『魔族軍、襲来せり』の通報が、転ぶ様に駆けこんで来た農民の口よりなされたのだ。

副官少尉は俺という指揮官不在の状況のため、臨時で駐屯所の指揮を執り、
魔族軍への迎撃と、地域住民の避難誘導に奔走していたそうだ。

幸い、魔族軍はいずれも少数部隊に分散しての侵攻であったらしく、
各所で小競り合いがあったものの、その全てで敵の撃退に成功したそうだ。

こちらがわの損害は、運悪く落馬して足を捻ったマヌケが1名のみ。
それを聞いて、内心、俺はホッと胸をなでおろす。
正直、こんな場末の任務で、部下や同僚が死ぬとはまるで考えた事すら無く、
それに対する覚悟も、まるで出来ていなかったからだ。
――これより先は、こんな幸運は続かないだろうし、覚悟を決めねばならないのであるが

副官少尉「現時点では、各所に派遣した分隊を再集結し、駐屯所周辺にバリケードを築かせています」
勇者中尉「バリケード?」
副官少尉「はい。地域住民を完全に避難させるには時間が掛ります。場合によっては、ここで敵を迎撃する必要も……」
勇者中尉「なるほど」

眼を遣れば、部下達が地域住民の志願者らしき者達と共に、
ガラクタや家具、穀物の袋などを積み上げて即席の防壁を築いているが見える。
志願者はかなりの数がいるらしい。



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