過去ログ - 勇者「時代は変わり」魔王「風と共に去りぬ」
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7:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(石川県)[saga]
2012/08/27(月) 14:48:09.28 ID:iKH2mB0/0

――『連邦共和国/北部辺境』
――『第23駐在所』

魔族の領域と国境で接する国『連邦共和国』。
その北部辺境には幾つもの『駐在所』が設けられていた。

『駐在所』と言っても、駐留しているのは警察官では無く、共和国陸軍に所属する『騎馬軍警隊』である。
『騎馬軍警隊』とは、騎馬兵や乗馬歩兵で構成された機動部隊であり、その速力を活用し、
連邦共和国北部辺境を西へ東へ駆けまわり、治安維持の任務に従事しているのだ。

連邦共和国の北部辺境は広大であるのに加えて、極めて治安が悪い。
魔族の小集団や、追剥・山賊・馬族の類が多く、彼らが村落や旅行者、遠隔地商人の馬車などを頻繁に襲うので、
こういった連中に対抗するために、軍用の強力な装備に馬の機動力を併せ持った準軍事組織が求められ、
その結果生まれたのが騎馬軍警隊なのである。

北部辺境に設けられた駐在所の内、特に大きな物の一つが、第23駐在所なのである。
ここには一個中隊百騎の騎馬警官と、二十数人程の事務員が配属されており、電信所も設けられ、
この辺りでは国の中央部と迅速なる連絡が取れる唯一の場所であった。

木造の厩に、やはり木造の、田舎の村役場染みた小さな宿所兼事務所が、この駐在所の全てである。
小さな時計塔が役所には設けられ、そこには機械仕掛けの鐘があり、所定の時刻になると鐘を鳴らす仕組みになっていた。

ガランガランと、午後三時を告げる鐘が鳴った時、畑と牧草地の間を縫うように蛇行する無舗装の道を、
十騎ほどの騎馬警官達が駐在所へとパカパカと常歩で向かって来るのが見えた。



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