過去ログ - 勇者「時代は変わり」魔王「風と共に去りぬ」
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76: ◆2GCrAwA30Q[saga]
2012/09/04(火) 13:31:04.64 ID:PuAv+VZU0

バリケードより半身だけ出した兵士達が、一斉にその銃を構えた。
敵の駱馬の脚が、地面を叩く音が徐々に大きくなり、また、その間隔も狭まって行く。
敵が速度を上げているのだ。みるみる、敵の姿が大きくなる。

勇者中尉「……」

俺は慎重に、機を見る。
味方の兵士は皆優秀だ。
先走って勝手に撃ち始めるのが一人も居ないのが、その証拠だ。
ならば、後は指揮官の俺が、やるべき事をやらねば……

曹長「良いか!鳥を狙え!鳥を撃て!」
曹長「敵の脚を止めろ!」

曹長の叫び声が響く。

勇者中尉「(まだだ……)」

敵の姿が大きい。
実際以上に、大きく見える。

勇者中尉「(まだ待て)」

音が大きくなる。
敵の足音も、自分の心臓の鼓動音も。
柵を飛び越えつつ、敵は近づいてくる。

勇者中尉「(まだ早い)」

もう少し、もう少しだ。

勇者中尉「(まだ)」
勇者中尉「(まだ)」

敵が雄叫びを上げ始めた!
人ならざる咆哮が、俺の耳を撃ち、心音を早めるが――

勇者中尉「まだだッ!」

そう叫んで気合を入れる。
カチャカチャと、敵の鎧の上げる金属音すら聞こえて来る。
果たして、敵の最前列が――

勇者中尉「(生垣に――)」
勇者中尉「今だッ!第一班!撃てーーッ!」



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