575: ◆0WipXNi8qk[saga]
2012/09/04(火) 15:54:30.72 ID:KWWw9CIPo
「それじゃあ、幸村は小鳩とマリアと一緒に近くの林まで薪になりそうなものを取ってきてくれ。
それで理科と星奈は機材の準備と火を起こすのを頼む。夜空は俺と一緒に野菜を切ってくれ」
「はい先輩、異議あり! です」
即座に理科がビシッと俺の方を指差す。
これはゲームかなんかの真似なのかもしれないが、俺はそこまでゲームをやるというわけではないのでネタが分からない。
「どうした理科?」
「さっきと同じ組み合わせじゃないですか!」
「えっと、ダメか? 小鳩とマリアはよく騒ぐから外に行ってもらって、幸村は面倒見がいいと思うし……。
それに星奈は重要な仕事の方がやる気出すだろうし、理科も機材とかの扱いは慣れてるだろ? それで、料理ができない夜空はこの際にちょっとは覚えるのがいいと思って……」
「違いますよそういう意味ではありません。私は純粋に組み合わせ自体に不満があります!」
「組み合わせって……そんなに星奈と一緒が嫌なのか?」
「ふん、まぁ肉と一緒が嫌だというのは良く分かるぞ」
「え、ちょ、そうなの!? あ、あたしと一緒なのが嫌なの!?」
「あ、いやそういうわけではなくてですね……」
割と本気で涙目になっている星奈を、理科が慌ててなだめる。
そしてすぐに俺の方を見て、
「理科は先輩と同じ組を所望します!!」
「俺と? まぁいいけどさ……じゃあ夜空は火を起こす方に」
「待て小鷹。私が肉と一緒に作業なんてできると思うのか」
「そうよ小鷹、誰が夜空なんかと!!」
「……はぁ、じゃあ夜空は幸村と交代で薪集めの方に行ってくれ。それで、幸村が火起こしの方に」
「了解いたしました、あにき」
「こ、小鷹……その」
「……えーと、またなんかダメか夜空?」
若干面倒くさくなりながら、俺は夜空を見る。
夜空はもじもじと顔を赤くしながら、俺の近くにやって来る。
そして、聞こえるかどうか微妙な程小さな声で、
「……私は小鷹と一緒がいい」
「ッ!!」
上目遣い気味にそんな事を言ってきたので、心臓が一気に跳ね上がった。
ドクンドクンと鼓動が早なり、それだけ動揺しているのが分かる。顔も熱い。
理科なんかは堂々と同じセリフを言ったはずなのだが、この差は何なんだろうか。
どうやら今の夜空の言葉は周りには聞こえていないようで、俺の反応を見てみんな首を傾げている。
俺は引きつった笑みを浮かべて何とかごまかそうとしながら、これからどうするか考える。
夜空のワガママも聞いてやりたいのは山々なのだが、それで他の者の意見を無視するというのは良くない気がする。
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>>576の投稿時間のコンマ以下の数字で決定
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/04(火) 00:00:00.(00)←ここ
偶数→このままいく
奇数→考え直す
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