802: ◆0WipXNi8qk[saga]
2012/09/08(土) 03:02:07.51 ID:xYC7e4XIo
実際のところ、会長の言った通り俺は驚いていた。
遊佐は俺をちょいワル系だと思ってカッコいいとか言ったりと、どこか抜けていると認識していたからだ。
そんな遊佐に会計……というのはどうにも不安になる。
会長はなおも笑いながら俺を見て、
「しかし人も見かけによらないものでな。葵は去年学年二位の成績なんだぞ」
「えっ!?」
「羽瀬川くんも驚き過ぎじゃないですか……? まぁでも、私としてはいくら二位でも柏崎星奈に勝てないのが悔しいのですが……」
学年二位で星奈に勝てない。
という事はつまり…………。
「あいつが学年トップなのか……」
「あれ、どうしました羽瀬川くん。何かどよーんとしていますけど」
「いや……何でもない……」
星奈は何ていうか、勉強以外の所では根本的に何か抜けているところがありすぎる。
いつも夜空に言い負かされるし、マリア並みに騙されるし……。
そんな星奈にこの学校の人間が誰も勝てないのか、と考えると何とも虚しい感じがする。
すると会長が何か思い出したように、
「あぁ、柏崎星奈か。あいつのお陰で去年の体育祭は楽しかったな!」
「体育祭?」
「えぇ、去年の体育祭は柏崎星奈と会長でポイントを稼ぎまくっていまして。それは凄い激闘でしたよ」
「あー、そういやあいつ運動神経も抜群なんだよな…………ってあれ、会長も運動できるんですか?」
「もちろんだ。本来私は体を動かす方が好きだし得意だからな」
そうだ、思い出した。
確か夜空は柏崎星奈と日高日向をリア充の双璧だと言っていた。
あの完璧な星奈と並べるくらいなのだから、会長もそれだけ凄まじい能力を持っていることになる。
まぁ後に星奈の方はリア充でも何でもなく、ただ残念だというのが判明したが。
俺は会長をインドア派だと勝手に思っていたのだが、これは考えなおしたほうが良さそうだ。
あの星奈と熱戦を繰り広げるあたり、どう考えても運動でも学校でトップクラスだ。
「しかしあの時は、柏崎星奈が急にテンション下がってやる気を失っていたな。途中まで素晴らしかったのに」
「あー、えっと、なんかあの人だけ凄く盛り上がってて周りがあまりついて行けてなくて……それに気付いたのか急に冷めちゃったみたいで……」
凄く想像できる。
周りの空気などはガン無視でとにかく目立ちまくって騒ぎまくる星奈。
いつしかそれは一人で暴走しているだけの状態になってしまって、気付いた時にはもう手遅れというわけだ。
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