888: ◆0WipXNi8qk[saga]
2012/09/12(水) 00:10:00.33 ID:KWJIPSLgo
「でもさ、やっぱりそういう争いがあって得られるものも沢山あると思うんだ」
「たとえば?」
「友達とか恋人とかだって、そうやって時には争ったり傷つけあったりしてお互いを知っていくだろ?
それに、受験だってそうだ。競争があるからこそ、切磋琢磨して上を目指すことができる」
「……ふむ、先輩にしてはなかなか良い事言いますね」
「失礼だなお前!?」
理科は一応は感心している様子だが、それでも心外なセリフを吐いてくる。
夜空も、小鳩も、マリアも口を少し開けて「おぉー」みたいな感じでこちらを見ている。
しかし。
「ていうかさ」
ここで星奈が口を挟む。
何やら半目で不満そうだ。
「それ、あたしがあんたに言ったことのパクリじゃない? ほら、電話でさ」
「…………おう」
さすがに本人にはごまかせそうにもないので潔く白状する。
あぁ、そうだ。これは星奈からの受け売りだ。
ふと、一時期部活に来ていなかった時に星奈から言われたことが頭に浮かんできたのだ。
すると理科が何か安心したように溜息をつき、
「まぁ、ヘタレな先輩がそんな良い事言えるわけがないですよね」
「お前の中で俺の評価はどうなってんの!?」
「しかし、小鷹もそうだが肉がそういう事を言うのは意外だな」
「な、何よ、あたしはいつだってまともな事しか言わないわよ!!」
「それはウソなのだ。星奈の口から出てくる言葉は99%が意味不明だぞ」
「な、何ですって!?」
「ククク、神の使いに同調するのは癪だが、こればかりは我も同意見だな」
「うぅ、小鳩ちゅわん……?」
一応は褒められる事なはずなのに、なぜか結局涙目になってしまう星奈。
夜空はそんな星奈を呆れたように眺めていたが、ふと何かに気付いたのか険しい顔になる。
「……おい待て。肉、貴様さっき電話でとか何とか言っていたな?」
「そうだけど?」
「小鷹とはよく電話するのか……?」
「はぁ? いや別に…………あー、分かった分かった。また嫉妬ね」
「ぐっ……し、嫉妬などではない!!!」
「じゃあなんであたしと小鷹が電話するのにそこまで気にしてんのよ?」
「そ、それは……」
星奈がニヤリと笑うと、夜空はただ口ごもって俯くことしかできない。
このやりとりも、もう何度も見た気がする。
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