955: ◆0WipXNi8qk[saga]
2012/09/13(木) 22:02:27.08 ID:LLo/0mxeo
「……俺は数人に、その、好意みたいなものを寄せられてるみたいなんです」
「なんだ、モテモテじゃないか」
「でも、俺は返事をしていません。いや、できないんです」
「……なぜだ?」
「俺自身の気持ちが分からないからです。
こんな俺のことを好きだと思っていてくれる人が居るのに、俺はそんな事も分からないんです。幻滅するでしょう?」
「…………」
「それでも、俺は中途半端な気持ちで答えたくない。だから、結局何も答えられないんです。
いつか必ず答えは出すっていう、問題を先送りにしているだけの言葉を吐いて」
俺は気付けば日向さんに愚痴っていた。
それだけ俺にとってこの人は心を落ち着かせられる存在なのだろうか。
頼りすぎていると言ったほうがいいかもしれない。
考えてみれば、夜空だけではなく理科もそういった好意らしきものが見え隠れしているのは分かる。
今まではどこまで本気なのか分からないので、スルーしていた。
でも夜空に告白されてから、心のどこかで理科の事も考え始めていた。
日向さんは、穏やかに微笑んでいた。
「そんなに悩むことはないと、私は思うぞ」
「そう、ですか……?」
「あぁ。これはあくまで私の予想だが、その子達はそういう面も含めてお前の事が好きなんだと思う。
少なくとも私は、軽い気持ちで受け入れるよりかははるかに良いと思うぞ」
「……はは、そう言ってもらえると助かります」
「それにしても、小鷹がそこまでモテるとは……何か置いていかれた気分だぞ私は」
「いやモテるとかじゃないですって。日向さんこそ、ちょっとアプローチすればどんな男でも落ちると思いますよ」
「小鷹は全然落ちないじゃないか」
「え、いや、そんな事したことないですよね?」
「『お前が欲しい』とまで言ったじゃないか!」
「無自覚じゃなかったんですかそれ!! タチ悪っ!!」
ダメだ、気付けばこの人のペースに乗せられてしまう。
だがまぁ、嫌だとは思わないが。
俺は小さく溜息をついて、
「じゃあ、何か好きな男のタイプとかないんですか? 男なんてこの学校に沢山居ますし、理想の人っていうのも居るかもしれません」
「ふむ、タイプか……」
日向の好きなタイプは? >>956
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