981: ◆0WipXNi8qk[saga]
2012/09/14(金) 03:16:32.31 ID:zSW76R5do
放課後。
今日は生徒会の仕事もないようなので、理科室へと向かう。
ドアを開けると、そこには夜空、幸村、星奈が居た。
夜空は読書、星奈は携帯ゲーム、幸村はただ立っているだけとみんないつも通りだ。
俺は鞄を机の上に置いて、
「なんだ、今日は三人も休みなのか?」
「……小鷹だって昨日休んだだろう」
「ま、まだ不機嫌なのかよ……」
「そりゃ、愛しの小鷹に会えなきゃ機嫌も悪くなるでしょ」
「なっ……肉ぅぅ……!!!」
「わたくしはあにきのお帰りを信じてまっていました」
俺は今朝のこともあって夜空の様子が気になったが、意外といつも通りだった。
夜空には何かを言わなければいけないとは思っている。
しかし、それは理科部の活動が終わってからでいいだろう。
こうして見る限り夜空は特に変わった様子もなく、むしろこの場で掘り返すのはためらわれた。
そして、幸村はまるで俺がどこかの戦場にでも行っていたような目を向けてくる。
幸村と会うのは随分と久しぶりな気がする。
「そういえば、幸村って家の事情とかって言って2日くらい休んでたよな? 昨日は来てたみたいだけど、もう大丈夫なのか?」
「はい……ご心配をおかけしてもうしわけありません」
幸村はそう言うと、深々とお辞儀をする。
俺としてはその家の事情というやつが気になったが、そういう事をあまりズカズカと聞くことでもないと思ったのでやめておく。
すると今度は星奈がゲームから顔を上げて俺の方を見る。
「ていうか小鷹って生徒会の仕事手伝ってるんだって? 何かマズイことやらかしたんなら、あたしの権力で何とかしてやるわよ?」
「何もしてねえよ。ただ大変そうだったから手伝ってるだけだっての」
「へぇ、相変わらずのお人好しっぷりね。そういえばあんたって前から生徒会と仲良くしてたっけ。ほら、あのゆ……ゆなんとかって奴と」
「あー、“遊佐”だろ。お前同じクラスなのにまだ名前覚えてないのかよ……」
まったく、こいつは俺や夜空の名前はすぐに覚えたのに、まだクラスメイトの名前も覚えていないようだ。
なんかもう、エネルギーを使う所を色々と間違っている気がする。
元が優秀なだけに、さらに残念な感じだ。
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