過去ログ - ビッチ
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109:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[saga]
2012/09/08(土) 23:30:48.25 ID:R6AaFDA/o

 叔母さんのマンションまでは電車を乗り継いで一時間くらいかかる。あたしはその
間、奈緒を初めて見かけた時のことを考えていた。

 あれは今年の夏の頃だったか。その頃のあたしはもう校外で遊び歩いている新しい友
だちとかにも馴染んでいた。そしてイケヤマに真面目な顔で告白されあいつと付き合い
出していた。

 兄貴やママへの反抗心もあって服装やメイクを派手にして同じような格好の友だちと
付き合い始めていて、イケヤマの知り合いの行動については多少のことには動じなくな
っていたあたしだったけど、あの時は一瞬本当にヤバイと思った。



 あれはイケヤマに連れられて彼の高校の男友だち数人と夜の街を当てもなく徘徊して
いたときだった。公園でお酒を廻し飲みしていたせいでみんな大分酔っていた。

「ここどこだよ」

 酔いの回ったイイダが大声で叫んだ。どうもどこかの住宅街に迷い込んだみたいだった。

「駅前に戻ろうぜ。な、明日香」
 イケヤマがあたしの肩を得意そうに抱きながら言った。「ここ何にもねえじゃん。家
ばっかだし」

 その時正面の瀟洒な家の扉が開き、中から中学生や高校生たちが外に出てきた。ほと
んどが制服姿の女の子たちだけどちらほらと男も混じっている。

「こっち行こうぜ」
 イケヤマが大声で言った。こっちを下っていくと駅なんだよ。間違いねえよ」

 その言葉につられてみんなが動き出した時だった。

 目の前の瀟洒な家から出てきた三人の男女があたしたちの脇を通り過ぎた。それは眼
鏡をかけた男子高校生と大人しそうな可愛らしい中学生の女の子二人の三人連れだっ
た。

 彼らがあたしたちを通り過ぎようとした時、その眼鏡が連れの女の子たちに言った言
葉が聞こえた。

「目を合わせるんじゃないよ。そうすればこいつら怖くないし何もしないから」

 可愛い女の子を連れて気が大きくなっていたのだろうか。こいつらに聞こえなければ
いい。あたしはトラブルが嫌だったから反射的にそう思った。

 でもその眼鏡の言葉をイケヤマの酔った友人たちは聞き逃さなかった。

「おいてめえ今なんて言った」
 イイダがいきなり眼鏡の肩を掴んだ。「こいつらとは何だよ。もう一回言ってみろ」


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