111:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[saga]
2012/09/08(土) 23:33:12.77 ID:R6AaFDA/o
その時のあたしの心も動きは後になって考えてようやく理解できたことであって、そ
の時のあたしは本能に従うまま行動したのだ。
いきなりあたしに手を振り払われたイケヤマは戸惑ったように言った。
「どうした明日香」
イケヤマが戸惑ったように聞いた。
「あんたたちに言っておくけど。さっきあんたたちに嫌なことを言ったのは眼鏡の男でし
ょ。この子たちは一緒にいただけで関係ないじゃん」
あたしは女の子を虐めているこいつらに言った。
イイダは、自分たちの嗜虐的な言葉で虐めらて泣き出しそうな中学生の女の子から目
を逸らしてあたしを見た。
「こいつらはあの男と一緒にいたんだから同罪だろうが。あいつの分まで落とし前付け
させて何が悪いんだよ」
イイダはそう言い放つとその女の子、つまりあたしの兄貴の妹の奈緒のスカートを捲
り上げた。夜目にもはっきりと彼女の白く細い脚がむき出しにされるのが見えた。奈緒
が小さな悲鳴を上げた。
イケヤマは迷っているようだった。でもあたしにはわかっていた。こいつはあたしに
惚れている。それだけでもあたしの言うことを聞いてくれるかもしれないけど、さらに
言えばイケヤマは見掛けよりも常識的な性格だったのだ。
「あんたがこいつらを止めないんだったらあたしはあんたと別れて二度と口聞かないか
らね」
あたしは言った。「あんたは平気なのかよ? あの眼鏡のせいで関係ない女の子がレ
イプされても」
「わかった」
一言だけイケヤマはあたしに言った。
それを聞いたイイダは奈緒のスカートから手を離してイケヤマをにらんだ。
「もうよそうぜ。駅前に行って飲みなおそう
イケヤマが穏やかにイイダに言った。イイダさえ納得してしまえば後の二人は言うこ
とを聞くだろう。
しばらく二人はにらみ合っていたけど、結局イイダが先に目を逸らした。
「つまんねえやつになったよな、イケヤマも。こいつのせいか」
イイダはあたしを睨んだ。奈緒を抱きすくめていたやつも彼女を放した。
「早く逃げな」
あたしは怯えている二人の女の子に声をかけた。
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