過去ログ - ビッチ
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112:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[saga]
2012/09/08(土) 23:35:46.45 ID:R6AaFDA/o

 結局白けたようにイイダと二人の男はあたしとイケヤマを置いて駅の方に帰って行った。

 それが奈緒との始めての出会いだったけど、多分奈緒はあたしのことなんて覚えてい
ないだろう。



 自分でもよくわかっていて心がけていたことだったけど、あたしはこいつらと行動を
共にしながらも常にどこかで彼らとは一線を画すようにしていた。

 心底このグループに染まってしまえばあたしの家庭での位置はその瞬間に崩壊する。
あたしにはそのことがよくわかっていた。あたしのことを一切叱ったことのないパパは
別として、ママや兄貴がこんなあたしを何とか見過ごしてくれているのはあたしがとこ
とんまで馬鹿をしていないせいだった。そういうことは隠していても以外によくわかっ
てしまうものだ。

 あたしは教師たちから目を付けられているようなグループの子たちと一緒に遊び歩い
てはいたけど、本当にヤバイ場面は避けるようにしていた。普通ならこういう半端な行
動はこいつらには一番嫌われる行為だ。

 あたしがこんな中途半端なことをしても叩かれなかったのはあたしのバックにイケヤ
マがいたせいだった。

 そんなことを見越してイケヤマと付き合い出したわけじゃなかったけど、結果的には
あたしの彼氏はあたしを守る力を持っていた。イケヤマがあたしのどこにそんなに執着
したのかはよくわからなかった。ただ、たまにあいつは変なことを言う癖があった。

「おまえさあ。せっかく可愛い顔してるんだから化粧もっと薄くするかすっぴんとかに
しねえの」

「おまえは中学の制服が一番似合うな。でもスカートとかもっと長いほうがいいんじ
ゃね?」

 そういう言葉をかけられるに連れあたしは一時はこいつはロリコンなんじゃないかと
思うことさえあったのだ。

 ある時あたしはイケヤマを試したことがあった。

「あのさあ」

「何?」

 イケヤマがあたしの方を見た。

「あんたって意外と真面目そうな初心な女が好みなんだね」

「別にそうじゃねえよ」

 でもその時のイケヤマの顔は少し赤くなっていた。

「でもさ。あたしがあんた好みの真面目な中学生の女の子だったら、絶対あんたみたい
なDQNなんかと付き合わないけどな」

「うっせえな。わかってるよ」

 イケヤマは拗ねたように言った。こいつをからかっていると少しだけ幸せな気分にな
った。もともとは兄貴への嫌がらせで始めたことだったけど、それまでは世界が違うと
思っていたこいつらと仲良くなれたことは悪い経験じゃないかもしれない。

「いい子にしてたら今度あんた好みの格好をしてデートしてやるよ」

 あたしはイケヤマをからかった。でもこいつは結構真面目にあたしの言葉を受け止め
たようだった。

「マジか? だったら俺大人しくしてるよ。何ならこの間先公に言われたとおり追試を
受けてもいいぜ」

「・・・・・・それはあたしとは関係なく受けろよ」


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