過去ログ - ビッチ
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120:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[saga]
2012/09/10(月) 00:07:24.27 ID:Rc4G2L0yo

 でもそれは恋愛感情じゃないとあたしは思った。というか思いたかった。

 兄貴がビッチな実の妹に誘惑されそうになったことにあたしが嫉妬しているとした
ら、あたしのこれまでの兄貴への感情は全て意味を失う。

 あたしは理屈ではなくパパと兄貴の前の家族のことを憎んでいた。こうなった全ての
原因はパパの前の奥さん、兄貴no本当のお母さんの浮気が原因だとあたしは聞いていた。

 それだけでもあたしが兄貴の本当の妹を憎むには十分な理由ではないか。それなのに
あたしは馬鹿正直にイイダたちに弄ばれそうになって怯えていた奈緒を救った。

 兄貴には多分本当の母親とか妹の記憶はないと思う。それでもあたしはあの時、あた
しの兄貴の身内ならあたしが守らなきゃと思ったのだ。

 奇麗事を言うつもりはない。あたしは深刻なトラブルに直面した時は、これまでは自
分がそこに居合わせず関らないことだけを気にしてきた。

 だからあの時、イイダたちが奈緒以外のもう一人の富士峰の中学生の女の子に酷いこと
を仕掛けたとしても見なかったふりをしてその場を立ち去ってただろう。もちろん、見逃
せば何の罪もないその中学生の女の子がイイダたちに残酷に弄ばれるだろうことは承知の
うえで。

 あたしのことをよくわかっていたイケヤマは、あの時ただあたしをその場から連れ出
そうとした。それなのにあたしはイケヤマにイイダたちを抑えるように強要したのだった。

 あの場ではイイダたちはおとなしく引き下がったけど、イケヤマのことを悪く思った
ことは間違いない。あたしはイケヤマの立場を危うくしてまで奈緒を守ったのだ。

 それなのにあのビッチは。

 恩知らずにも兄貴に恥知らずな誘惑を仕掛けようとしているのだ。こんな女を守って
やるためにあたしもイケヤマも仲間内での立場を悪くしたのだ。

 あたしは奈緒に復讐しようとは思わなかった。そんなことより今は兄貴を守ることが
最優先なのだ。

 その時のあたしは積極的に奈緒に復讐しようとは思わなかったけど、今あの夜の人気
のない住宅街でのできごとに出くわしたとしたら。

 あたしはイイダたちに無理矢理富士峰の清楚なセーラー服を脱がされ、露わにされた
華奢な裸身を残忍にいたぶられて悲鳴を上げて助けを求める奈緒たちのことを、冷酷な
微笑を浮べて見守ることができるだろう。

 その時のあたしはそれくらい奈緒に対して憎しみを抱いたのだった。


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