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123:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[saga]
2012/09/10(月) 00:14:28.19 ID:Rc4G2L0yo

「何でそんなこと聞くのよ」
 叔母さんは真面目な表情で言った。「何かあったの」

「うん」

 あたしはその時ずるいとは思ったけどイイダたちに奈緒が犯されそうになったことは
省略した。そして、ある朝奈緒が兄貴を誘惑するように兄貴に接近して二人きりで駅の
方に歩いていったことだけを叔母さんに話したのだ。

 叔母さんはあたしの話を聞いて考え込んでしまった。

「それ本当に奈緒ちゃんなの」

「うん。間違いないと思う」

「そうか。でもそれとあんたと奈緒ちゃんとどっちが可愛いって聞くのってどう繋がる
わけ?」

 それは兄貴を誘惑したいからだ。でも仲のいい叔母さんにもそこまでは言えなかった。

「訳は聞かないでお願い」

「何でそんなに必死なのよ」

 訳がわからないと言いながら叔母さんは立ち上がってリビングの隅に置いてあるテー
ブルをごそごそとあさって何かプリントしてある紙をあたしに渡した。

 あたしはそれを読んだ。



『東京都ジュニアクラッシク音楽コンクールピアノ部門中学生の部 受賞者発表』

『第一位 富士峰女学院中等部2年 鈴木奈緒』

『演目:カプースチン:8つの演奏会用練習曲 作品40 第5番「冗談」』

『表彰状、トロフィー、記念品、賞金30,000円の贈呈』



 「これが何よ。前にも奈緒が優賞したって話は叔母さんから聞いてるじゃん」

 あたしは言った。その紙には奈緒の小さな写真が載っていた。荒い写真だけど奈緒の
可愛らしさはよく伝わってくるようだった。

「あたしはさ、奈緒ちゃんと実際に会ったのは一回だけなんだよね」

「うん・・・・・・」

「あれは離婚に向けてお互いの弁護士さんとかと調停って言うの? そういうのをした
時でさ。両家別々に離婚調停してたんだけど、あの時だけは関係者全員で顔をあわせて
話し合おうってことになってね」

「その時大学生だったあたしはまだ小さかったあんたのお守り役で姉さんに付いて行っ
たのさ。そこにはやっぱりまだ幼かった奈緒ちゃんがいてね。その奈緒ちゃんの面倒を
見ていたのが奈緒人君だったんだけどね」

 叔母は少しだけ懐かしそうな表情になった。

「その時の奈緒ちゃんってさ、まるで天使みたいだったなあ。奈緒人君の後をひょこひ
ょこ付いてまわってさ」

「それはわかったよ。で、今叔母さんから見てどう? あたしと奈緒ってどっちが可愛いと思うの?」

「あたしは最近の奈緒ちゃんを知らない。でもその画像を見る限り奈緒ちゃんの方があんたより全然可愛いね」

 叔母が歯に絹を着せずにきっぱりと言った。


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