136:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)
2012/09/13(木) 23:45:04.67 ID:UgMRWwDko
そういうわけで僕は、クリスマス明けの登校中に勇気を振り絞ってナオを誘った。ピア
ノ教室が終った後に兄友と女さんと四人で遊びに行かないかと。
兄友と女さんが言うようにナオが僕にクリスマスに誘われなくてがっかりしたのかどう
かはわからないけど、その時の僕の誘いにはナオは目を輝かせるようにして答えてくれた。
「はい。大丈夫です。絶対に行きます」
「じゃあ明日の土曜日、君の教室が終わる頃にまたあそこで待ってるね」
「お迎えに来るのが面倒だったらどこかで待ち合わせてもいいですけど」
ナオが僕に気を遣ったのかそう言った。「わざわざ来ていただくもの申し訳ないです
し」
兄友や女さんに言われなくてもさすがにこのくらいの問題には僕だって回答することは
できる。
「ナオちゃんさえよかったら迎えに行くよ。その方が兄友たちに会うまでナオちゃんと二
人で一緒にいられるし」
「・・・・・・うん」
ナオは微笑んだ。やはり兄友や女の言っていることにも一理あるのだろうか。「すごく
嬉しいです。ナオトさん」
ここまで直接的な愛情表現をしてくれるナオに対して僕は臆病すぎるのかもしれない。
ナオは少し赤くなった顔で僕に言った。
「じゃあ待ってます」
「うん」
「・・・・・・あの」
「どうしたの」
「明日は教室の前で待っていてくださいね。前みたいに離れたところで待っていたらだめ
ですよ」
僕は面食らった。
「どうして? というか堂々と教室の前で待つのは何か恥かしい」
「恥かしがらないでください」
ナオが真面目な表情になって言った。「あたしたち、お付き合いしているんですよ
ね?」
「う、うん」
「じゃあ教室の目の前で堂々と待っていてください。あたしも教室のお友だちにあたしの
彼氏だよって紹介できますから」
「うん・・・・・・」
「それに・・・・・・いつも一緒に帰ろうって誘われる先輩がいるんですけど、ナオトさんが教
室の前で待っていてくれればその人にもちゃんと断れますし」
「それって前に迎えに来た時ナオちゃんに話しかけてた人?」
「・・・・・・はい」
「わかった」
僕は戸惑ったけどナオがここまできっぱりと言葉にしてくれているのだ。恥かしいとか
言っている場合ではなかった。「そうするよ」
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