148:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[saga]
2012/09/16(日) 00:54:58.36 ID:g/BzIvsyo
「何か話してばっかで全然歌えなかったね」
結局二回時間を延長したために外に出たときはもう薄暗くなっていた。あちこちのビ
ルの店舗から洩れる灯りが路面をぼんやりとにじませている。
「おまえがナオちゃんにペラペラ話かけていたせいだろうが」
兄友が笑って言った。
「何よ。あんただってナオちゃんに興味深々にいろいろ質問してたくせに」
「そりゃまそうだけどさ。ナオちゃん」
「はい?」
「ナオちゃん歌上手だね。あと君は本当にいい子だな」
「え」
「ナオトをよろしく。こいつ口下手だし根暗だし真面目なくらいしか取り得がないけど
さ」
ちょっとだけ改まった口調で兄友が言った。
「あんたそれ言いすぎ」
女さんが真面目な口調になって兄友に注意したけど兄友は気にせず言葉を続けた。
「でもいいやつなんでよろしくね」
ナオは少し驚いたようだったけど、顔を赤くして兄友に答えた。
「ええ。よくわかってます。心配しないでくださいね」
「うん。じゃあまたな。ナオト、おまえナオちゃんを送って行くんだろ」
「あ、あたしは大丈夫です」
「送っていくよ」
僕はナオの顔から目を逸らして言った。
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