過去ログ - ビッチ
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18:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[saga]
2012/08/29(水) 23:25:24.60 ID:ogCHSW01o

 僕が自宅に着いてドアを開けようとした時、逆側からそのドアが開き妹が出てきた。

 妹は相変わらず中学生とは思えな派手な姿だった。爪には変な原色の色彩が施され冬
だというのに短いスカートを履いている。アイシャドウも濃い目、手に持っている小さ
なハンドバッグはラメが一面にごてごてと派手に刺繍されているものだ。

 僕は思わず今朝出会った彼女のことを思い出して妹と比較してしまった。多分彼女も
妹と同じで中学生くらいだと思う。はっきりとは見ていないので確かとは言えないけど
彼女は目の前の妹と違って普通に清楚な美少女だった。それは短い僅かな言葉のやり取
りにも表れているように僕は思った。

 何で同じ中学生なのに妹と彼女はここまで違うのだろう。僕はそう思った。

 でも今はトラブルは避けたい。ただいまとだけ妹に向ってもごもご呟いた僕は、これ
からどこかに遊びに行く様子の妹を避けて家の中に入ろうとしたその時だった。

「あんたさ」

 妹が僕に話しかけてきた。

「え」

「今朝どっかの女と相合傘してたでしょ」

 行く手を遮るように僕の正面に立った妹が言った。

「何でおまえが知ってるの」

 いきなりの奇襲に面食らった僕は何とかそれだけ言い返すことができた。

「何でだっていいでしょ。あれあんたの彼女? つうかキモオタのあんたにも相合傘す
るような相手がいるんだ」

 最初僕は正直に偶然出会った女の子を駅まで傘に入れただけだよと言い訳するつもり
だったけど、悪意に満ちた妹の声を聞いているとそんな言い訳する気すら失われていった。

「それこそどうだっていいだろ。おまえには関係ないじゃん」

 僕の言葉を聞いた妹は目を光らせた。いつもなら戦闘開始の合図だった。僕は少し緊
張して立ちはだかる妹の方を見た。

「・・・・・・何じろじろ見てんのよ。そんなに女の体が珍しいの? 気持悪いからあたしの
体を見るの止めて欲しいんだけど」

 こんなやりとりは僕にとっては日常のことだ。僕は必死に自分の感情を抑えた。早く
妹にどっかに行ってしまって欲しい。そうすれば僕は一人で心の平穏を保てるのだ。

「あんた、彼女いたんだ。あの子どう見ても中学生くらいだったけど」

 僕はもう何も言わないことにした。むしろ早く家の中に入ってしまいたいけど玄関前
に立ちはだかる妹をどかそうとすれば彼女の体に触れざるを得ない。

 僕に自分の体を触れられた妹がどういう行動を取るのかは、僕はこれまでの苦い経験
でよく学んでいた。だから僕はひたすら沈黙して妹が出かけていってしまうことを待つ
ことしかできなかった。


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