過去ログ - ビッチ
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202:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[saga]
2012/09/28(金) 00:12:30.02 ID:xVnL1g9Mo

 突然兄貴の携帯が鳴った。玲子叔母さんと楽しそうに雑談していた兄貴は自分の携帯を
ちらりと見た。あたしは兄貴との距離が近かったせいで兄貴の携帯のディスプレイに表示
されている着信表示を見ることができた。

 それはユキからのメールだった。

 兄貴は一瞬慌てたようだった。さっきメアドを交換したのだからユキからメールが来た
って不思議はないのに、何で兄貴はあからさまに困った表情をしているのだろう。

 それにしてもやはりユキは兄貴が気になっているのだろう。あたしがダメモトで言った
言葉に従って早速兄貴にメールを送って来たのだ。

「メール?」

 あたしは兄貴になるべく優しい口調で言った。

「うん」

 兄貴はそのまま携帯をポケットにしまった。

「メール見ないの?」

「・・・・・・兄友だからたいした用事じゃないよ、あとで見るから」

 相変わらず兄貴は嘘をつくのが下手だ。

「パパ?」

 あたしは玲子叔母さんと仕事の話で盛り上がっているパパに話しかけた。

「うん? どうした明日香」

 パパはママが兄貴を大事にしているのと同じくらいあたしのことを大切に扱ってくれる。
パパはママと話していても兄貴と話していても玲子叔母さんと盛り上がっていても、あた
しが話しかけるとそれまでの会話を中断してあたしの話を聞いてくれるのだ。

 話の途中で放置された玲子叔母さんはつまらなそうにしていたけど、あたしはそれを気
にせずパパに聞いた。

「パパとママって今度はいつ帰ってくるの」

 パパの表情が少し曇った。そして申し訳なさそうに言った。

「大晦日の夜まではパパもママも帰れないと思う。今日だってよく帰れたなって感じだし
ね」

「うん。じゃあ夕食の支度頑張らないと」

「・・・・・・本当にどうしちゃったの? 明日香。最近気まぐれで奈緒人に飯を作ってたのは
知ってたけどさ。これからずっとママの代役をするつもり?」

 叔母さんが嫌がらせのように言った。

「もうちょっとで学校休みだし、それくらいいはね」

「明日香は偉いな」

 パパが微笑んで誉めてくれた。


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