229:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[saga]
2012/09/30(日) 19:13:10.56 ID:P7aT+clno
「ごめんなさい。変なこと言っちゃって」
赤くなって狼狽している妹を見て少し後悔したようにユキが言った。「別に変な意味じ
ゃなの。何か羨ましいいなあって思って」
「うらやましいって・・・・・・何で?」
「よくわかんないけど、あたしって弟しかいないからかなあ。お兄さんがいるのってうら
やましい」
「そんなにいいもんじゃないけどね、実際にお兄ちゃ・・・・・・兄貴がいても」
「それよかさ、何で二人は知り合いなの?」
僕はさっきから気になっていることを質問してみた。ユキはナオの親友のはずだ。その
ユキと明日香が知り合いということはまさか明日香はナオとも知り合いなのだろうか。
「何でって言われても。最近ちょっといろいろあって知り合ったんだよ」
明日香が素っ気なく答えた。全く答えになっていない。
「そうなんです。でも知り合ったばかりの奈緒の彼氏が明日香さんのお兄さんなんてびっ
くりです」
そう言ったユキは少しも驚いていないように見えた。
「それよか何食べる? お腹空いたよ」
明日香が話を変えた。
「・・・・・・ピザとフライドチキン?」
「何でよ」
「食べたかったんだろ? 昨日は寿司に付き合ってもらったからな」
「・・・・・・よく覚えてたね」
「まあね」
「変なところだけ無駄に優しいんだから」
明日香はまた少し赤くなって小さい声で言った。
「いいなあ。あたしもお兄さんが欲しい」
ユキが再び明日香をからかうような目で見ながら言った。さっきもそうだたけど明日香
が同学年の女の子にこういう風に扱われていることが僕には少し新鮮に感じられた。
「こんなのでよかったらあげようか」
まだ赤い顔をしたまま明日香がユキに言い返した。
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