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268:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[saga]
2012/10/04(木) 23:33:31.77 ID:tJhIMvBio

『あたしは奈緒ちゃんの友だちだから。だからナオトさんに振り向いて貰おうなんて考え
てないし。というか生意気なようだけど、万一ナオトさんがあたしのこと好きになってく
れたとしてもあたしはナオトさんとは付き合えないもん』

『どういうこと? 君の言っていることさっきからよくわからないんだけど』

「ねえ。ねえってば。お兄ちゃんあたしの話聞いてるの?」

『だって奈緒ちゃんに悪いじゃん。あたしはたとえ親友の彼氏だったとしても本当にその
人が好きになったのなら遠慮しない。そう思ったときも以前はあったのだけど』

『どういう意味?』

『奈緒ちゃんってさ。多分ナオトさんが考えているよりメンタルが弱い子なんだよ。さっ
きナオトさん、奈緒ちゃんのこと大変なんだなって言ったでしょ。あなたが奈緒ちゃんの
行動に関して感じた感想はそれだけなんでしょ』

『でもね。あれだけ気持ちが弱い子が必死になってピアノに縋りついていることとか、ナ
オトさんに依存している意味とか、ナオトさん何にも気が付いていないでしょ』

『あたしはピアノなんかに人生をかけるつもりはないけど。もし仮にあたしがどんな手段
でも使ってピアノのコンテストで奈緒ちゃんに勝とうと決心したとしたら、必死にピアノ
の練習をするとかそういうことはしない』

『あたしならナオトさんを誘惑して奈緒ちゃんを振らせるように仕向けると思う。多分そ
れだけで奈緒ちゃんぼろぼろになってろくな演奏もできなくなるから』

『・・・・・・変なこと言ってごめん。奈緒ちゃんは親友だから。あたしはナオトさんのことが
好き。でもそれだけなの。ナオトさんと付き合う気はないの。奈緒ちゃんのためにもごめ
んね、変な話しちゃって』

「明日も別に予定ないんでしょ? おせちは無理でもせめてお正月っぽい食べ物を買いだ
しに行くからね。荷物持ちよろしく。あと有希も誘って今日の埋め合わせにケーキとかご
馳走しないとね」

 妹の言葉がようやく耳に入って意識の中で形になった。

 それでは僕は明日もナオではなくユキと会わなければいけないのだ。


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