279:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[saga]
2012/10/06(土) 23:01:51.85 ID:XUDIxlOTo
僕と明日香のほかに叔母さんが一人加わるだけで、不思議なことにどういうわけか家族
団らんという雰囲気が漂う。僕なんかでもいないよりは妹にとっては元気が出るだろうと
思ってここまで付き合っていたのだけど、やはり叔母さんがいると妹のテンションは高く
なるようだった。
偶然に叔母さんに会えてよかったと僕は思った。よく考えてみればここは叔母さんの勤
務先の出版社の所在地からすごく近い場所だった。
「ちょっとトイレ。お兄ちゃんデザート持ってくるように頼んでおいて」
「うん」
妹が席を立つと叔母さんがにやにやしながら僕の方を見た。
「何でニヤニヤ笑ってるんの」
「奈緒人。あんたさあ、あの短い時間の間に急速に明日香と仲良しになったみたいんじゃ
ん」
「ああ、まあ昔よりは仲良くなったかもね」
「何を冷静に言ってるんだか」
叔母さんが笑ったまま言った。「しかしわからんものだよねえ。仕事の打ち合わせでた
またま入ったファミレスにさ、妙にいい雰囲気の若いカップルがいるなってあって思った
ら、あんたたちだったとは」
叔母さんの話は別に僕たちへの嫌がらせのようではなかった。
「まあでもよかったよ。あんたたちが仲が悪いとあたしも居心地が良くないし」
「ごめん」
叔母さんは僕たち二人を可愛がってくれていただけに、明日香と僕の不和には心を痛め
てくれていたのだろう。
「まあ、別にいいさ。しかしさあ、仲直りするのを通り越してまるで恋人同士みたいにイ
チャイチャしだしてるのはちょっと急ぎ過ぎじゃない? 血が繋がっていないとはいえ一
応兄妹なんだしさ」
「そんなんじゃないって」
「おう。奈緒人が珍しく照れてる」
叔母さんが幸せそうな表情で笑った。「心配するな。あんたたちの両親はあたしが責任
を持って説得してやる。だから明日香を泣かせるんじゃないぞ」
ここまで来ると叔母さんの話はもはや本気なのか冗談なのかわからなかった。一応、本
気で僕と明日香の仲を誤解しているといけない。僕は叔母さんにナオのことを話すことに
決めた。両親にさえ話していないけど叔母さんなら信用できた。
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