過去ログ - ビッチ
1- 20
426:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[saga]
2012/10/30(火) 22:56:57.93 ID:Ve6nBptio

「何よ。お兄ちゃん、玲子叔母さんのことが気になるの?」

 明日香が少しだけ真面目な顔で僕を睨んだ。

「ば、おまえ何言って」

「確かに叔母さん綺麗だもんね。よく考えたらお兄ちゃんとは血が繋がってないし」

「おまえ、いくらなんでもそれは叔母さんに失礼だろう」

「・・・・・・何で本気で赤くなってるのよ」

「なってねえし」

「お兄ちゃんってパパに似てるしね。叔母さんもパパに似ているお兄ちゃんのことが気に
なっていたりして・・・・・・それも男性として」

「おまえ・・・・・・怒るぞ」

 明日香は僕の精一杯の威嚇なんか少しも気にしていないようだった。

「考えてみればパパと叔母さんは十五歳違いだけど、お兄ちゃんと叔母さんは十三歳違い
だもんね。パパよりお兄ちゃんのほうが叔母さんに年齢が近いじゃん」

 明日香の冗談に付き合っているときりがない。でも僕はそのとき叔母さんのすらりとし
た容姿を重苦しく思い出した。

 女帝の率いるボーイズギャング団のことを思い出したからだ。

 そいつらは女帝が現われてからは女の人を襲ったりとか、道端で強盗まがいのことをし
なくなったと平井さんは言っていた。そのかわり脱法ドラッグを組織的に仕入れて売ると
いう暴力団まがいの商売を始めたのだ。

 一見大人しくなったようだけど危険な連中であることに違いはなかった。本当に女帝と
いう女が実在するとしたら、僕が探ろうとしていることは相当に危険なことに違いない。

 叔母さんは僕と一緒にその探索をすると意気込んで言っていたけど、やはりそれだけは
阻止しなくてはならない。これから探ろうとしている連中は、相手が大人だからといって
遠慮したり恐れたりする相手ではなさそうだ。深入りすれば叔母さんだって明日香と同様
に飯田のようなやつに何かひどいことをされてしまう危険がある。

「まあ、あたしは相手が玲子叔母さんでも奈緒でも有希でも、お兄ちゃんを譲る気なんて
ないんだけどね」

 明日香が叔母さんから話を変えた。僕はあのとき逃げ去っていった明日香を見送って以
来初めて彼女の口から有希の名前を聞いたのだ。

 明日香もそのことに気がついたようだった。彼女の表情が曇った。


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
1002Res/1204.35 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice