473:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[saga]
2012/11/05(月) 22:47:13.32 ID:NbEGfaswo
明日香がテレビの音量を下げたせいで部屋の中は静かだった。相変わらず窓の外には粉
雪が降りしきり庭の樹木を白く装っている。叔母さんは嫌がっていたけどこの分だと積も
るかもしれない。
「正直に言うとさ、さっきまで奈緒のことを考えてた」
これ以上甥と叔母の恋愛なんて妄想には付き合いたくなかった僕は正直に言った。
明日香はそれを聞くと黙ってしまった。
「だから玲子叔母さんのことを考えていたわけじゃないって。変な誤解するな」
でも明日香は全然安心したような表情を見せなかった。
「・・・・・・最悪だよ」
明日香が低い声で言った。「お兄ちゃん言ったよね? 奈緒とは再会したいい兄妹の関
係だって」
「うん」
「あたしと二人きりでも奈緒の方が気になるの? 実の妹なんでしょ? お兄ちゃんは実
の妹のことでいつも頭がいっぱいなわけ?」
「いや、違うって」
「どう違うのよ。お兄ちゃんはあたしの気持ちを知ったんでしょ。あたしはお兄ちゃんの
ことが好き。お兄ちゃんにあたしに彼氏になって欲しい。血も繋がっていないし、ママだ
ってそれを望んでいるのに」
穏やかな午前中の時間はこれで終ったみたいだった。明日香は今では涙を浮べていた。
こいつは昨日は僕に返事は急がないと言ったばかりだったはずなのに。
「お兄ちゃんが高校の友だちの女の子が好きであたしが振られるなら仕方ないよ。それに
さっきはああは言ったけど玲子叔母さんとお兄ちゃんがお互いに求め合うなら、賛成は出
来ないけどまだしも理解くらいはするよ。年齢はともかく少なくとも血は繋がっていない
んだし」
「学校に好きな子なんていないし、玲子叔母さんはそういう対象じゃないだろ」
明日香は僕の話なんて聞いていないようだった。
「でも、何でそれが奈緒なの? 奈緒だってお兄ちゃんが彼氏じゃなくて実の兄だってこ
とを受け入れたんでしょ? お兄ちゃんだってそう言ってたじゃない。それなのに何でお
あたしと一緒のときにいつもいつも奈緒のことばかり考えてるのよ」
明日香はいい兄妹として仲直りする以前のような興奮した口調で話し出した。
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