484:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[saga]
2012/11/06(火) 22:40:37.82 ID:IZBoRVWYo
「本当にそれだけなんだろうな」
僕は明日香に念を押した。
「正直に言うと少しは叔母さんを牽制しておこうとは思ったけどね」
「何度も言うけど、たとえ血がつながっていないとしても自分の叔母だと思ってきた人に
恋するなんてことはありえないよ」
「うん。今ならお兄ちゃんのこと信じてあげる」
明日香が言った。
「やっとか。まあわかってくれたのならいいけど」
「でもお兄ちゃんにその気がなくても、叔母さんはお兄ちゃんのことを好きかも知れない
よ」
「まだそんなこと言ってるの」
「玲子叔母さんのことはあたしの方がよく知ってるもん」
「それは否定しなけど。だからと言ってさあ」
「叔母さんは多分昔からパパのことが好きだったと思うんだ。でもその気持ちを抑えてき
たのね」
「何度も言うけどそのことだって想像にすぎないだろ」
「誰かを好きな気持ちを察するのに証拠なんてあるわけないじゃない」
まあそれはそうかもしれないけど。
「でも僕は父さんじゃないぞ」
「パパを好きな気持ちがパパにそっくりなお兄ちゃんへの愛情に変わったんでしょ。それ
にお兄ちゃんにとっては叔母さんはママ代わりみたいなものでしょ? そして叔母さんに
とってはお兄ちゃんは血の繋がっていない息子のような存在だったし。その叔母さんの母
性がいつのまにか異性への愛情に変わったんだよ、きっと」
「それも全然根拠のない思い込みじゃん」
「女の勘ですよ」
明日香は笑った。いったいどこまで本気で言っているのだろう。
「まあ常識的に考えれば世間的にも成就する恋じゃないし。叔母さんだってそんなことは
わかっていると思うけどね」
明日香の言うことが本当だとしたらそれは僕にとっては非常に落ち着かない気分にさせ
られる話だった。
「だからお兄ちゃんが玲子叔母さんに告ったり迫ったりしなければ、叔母さんの中ではそ
れは秘めた恋で終わるよ」
「そんなことするか」
「うん」
明日香はそこで嬉しそうに笑った。「そこは信用してるよ。お兄ちゃんもあたしのこと
が好きだってようやく気がついてくれたみたいだしね」
少なくともそこを信じてくれただけでもよしとしないといけないようだった。
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