498:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[saga]
2012/11/10(土) 00:07:17.64 ID:UmSWG1/8o
警察の人たちがそれでも一生懸命に明日香に微笑みかけ、できるだけ明日香を刺激しな
いようにしながら事情聴取を終えて引き上げていった後、明日香は大きく息を吐いてソフ
ァに横になった。
「痛っ」
明日香は顔をしかめて言った。どうやら傷になっているところをソファにぶつけたらし
い。
「大丈夫?」
明日香は体をもぞもぞと動かしてようやく具合のいい位置を見つけたらしかった。
「平気。ちょっとぶつけただけだから」
ソファに居心地良さそうに横になると明日香は再び大きくため息をついた。
「やっと終ったのね」
「うん。もうおまえから話を聞くことはないでしょうって言ってたし」
「自業自得なんだから図々しいかもしれないけど。あたし、もうあいつらとは関りになり
たくない」
明日香が言った。
警察の女の人たちはあの晩に起きた出来事を優しく同情しながらも、明日香の記憶に残
っていることは一欠けらも取りこぼさずに聞き取っていった。
今日家に来た警官は性犯罪の被害者の聞き取りは女性警官の方が当たることになってい
ると言っていた。自分の上司の平井さんは若い女の子の扱いには慣れていないとも。
その言葉に嘘はないだろうけど、彼女の聞き取りだって笑顔やていねいな口調を取り去
ってしまえば容赦のないものだったと言える。これでは明日香が再び言葉と記憶のうえで
再びレイプされているようなものだ。
何度か僕は明日香の手を握りながら女性の警官の尋問をとどめようとした。そのたびに
警官は柔らかい口調で謝りながらも知りたいことを知ろうとする執念を諦めはしなかった。
そして明日香は顔色も変えずに淡々とその夜自分に起きたことを話し続けた。
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