過去ログ - ビッチ
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547:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[saga]
2012/11/15(木) 23:47:42.38 ID:o39L6oyZo

「・・・・・・わかった」

 ようやく明日香がベッドから上半身を起こして言ってくれた。毛布から這い出した明日
香は寒いのに白いタンクトップの短いシャツだけを身にまとっていた。シャツの隙間から
覗く肌に巻かれた包帯が痛々しい。

「信じるよ。あたしだってお兄ちゃんと喧嘩するのは嫌だし」

「・・・・・・明日香」

「ぎゅっとしてお兄ちゃん」

 突然明日香の態度が柔らかになった。僕は明日香の甘い声に従ったけど、言葉どおりぎ
ゅっと抱きしめたらきっと明日香の傷が痛むだろう。だから僕はベッドの端に腰かけてそ
っと彼女の体に手を廻した。

「もっと強くしてくれてもいいのに」

 明日香が僕の首に両手を回しながら言った。この先は明日香の指示を待っていたのでは
駄目なのだろう。僕は自分から明日香にキスした。

「疑ってごめんね」

 明日香が言った。

「叔母さんの体を見つめちゃったのは僕の方だしな。誤解させて悪かったよ」

「もういい。お兄ちゃんの言うことなら信じるよ」

 僕の顔の近いところで彼女の声が響いた。

「お兄ちゃんの気持ちはわかったから、あたしの言うことも聞いて。お兄ちゃんはうざい
と思うかもしれないけど、やっぱりお兄ちゃんが奈緒とか叔母さんのことを話す口調とか
表情とか態度とかって、あたしにとってはすごく不安なの」

「そんなつもりはなかったんだ。でも心配させたならごめん」

 少なくとも叔母さんに関しては明日香の邪推なのだけど、今日は明日香に譲歩しようと
決めたばかりだったから素直に僕は謝った。

 明日香は僕の首に回した手に力を込めた。

「お兄ちゃんが本気であたしを選んでくれたなら」

「うん」

 密着している明日香の体から女の子らしいいい匂いがする。

「あたし、奈緒にも有希にも玲子叔母さんにも絶対お兄ちゃんのこと譲る気はないから」

「うん・・・・・・僕だってもう決めたんだしそんな心配いらないよ」

「でも不安だから」
 明日香が真面目な顔になって言った。「だからあたしたちが恋人同士だってこと、みん
なにカミングアウトしよう」


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