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571:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[saga]
2012/11/18(日) 23:44:24.97 ID:HzzsU8/Zo

 そのとき僕と明日香は僕が叔母さんに送ったメールのことで少し揉めているところだっ
た。

 カミングアウトしたいという明日香の希望に沿ってとりあえず僕は玲子叔母さんに大切
な用事があるというメールをした。それを送信した後で明日香がそれを見たがった。別に
隠すようなものでもないので僕は叔母さんに送ったメールを明日香に見せたのだ。

 いつのまにか機嫌を直していた明日香は僕に身を預けるようにして、僕が差し出した携
帯のディスプレイを眺めた。

「あのさあ」

 低い声で明日香が僕に言った。

「うん。とりあえずこれで僕たちが叔母さんに大事な話があることは伝わっただろう」

 僕は明日香に言った。僕はさっそくこいつの希望に応えたのだ。

「お兄ちゃんさ。もしかして自分のことが好きな玲子叔母さんの気持ちを弄んで楽しんで
ない?」

「何のこと?」

 ずいぶんとひどい言われ方だけど、このときの僕には明日香の言ってる言葉の意味がわ
からなかった。

「何よこれ」

 明日香が僕のメールを読み上げた。わざわざ声に出されたことでやっと僕にも明日香の
言いたいことが理解できた。



『叔母さんさっきはごめんなさい。叔母さんに大切な話があるんだ。叔母さんは仕事で忙
しいと思うから、もし時間ができたら僕に会ってほしい。突然変なメールしてごめん。で
も僕たちにとっては大事なことだから。じゃあ、玲子叔母さん。会えるようになったら
メールか電話して』



「この僕たちって誰のことを言ってるの?」

「そら僕とおまえのこと以外にないだろ」

 僕はとりあえずそう答えたけど明日香の怒っている理由も何となくわかる。

「こんなメールを受け取ったら玲子叔母さんがどう考えると思うのよ。『突然変なメール
して』とか『大切な話がある』とか『僕たちにとって大事なこと』とか叔母さんに言うな
んて。いったい何考えてるの」

「いや」

 本当に明日香に言われてメールをしたということ以外は何も考えてはいなかったのだ。

「叔母さんは自分とお兄ちゃんにとって大切な話があるって受け取ったでしょうね」
 明日香が言った。「かわいそうに叔母さん、お兄ちゃんが叔母さんに告白しようとして
いるって思い込んでどきどきしているかもよ」


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