656:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[saga]
2012/11/29(木) 23:08:02.72 ID:wzcb5MtTo
自宅のドアを開けると目の前に明日香が立っていたので僕は驚いた。
「明日香、おまえこんなとこで何やってんだよ」
明日香はそれには答えずに僕に抱きついた。
「おい」
「最近のあたしの勘って結構当たるんだよ」
明日香が僕の胸に自分の顔を押し付けるようにしながら言った。
「・・・・・・ひょっとしてずっと待ってたの?」
「だから勘だって。お兄ちゃんのことなんかこんなとこでずっと待ってるはずないじゃ
ん・・・・・・って、あ」
僕に抱き寄せられた明日香が真っ赤になった。
僕は明日香と抱き合いながらもつれ合うようにソファに倒れこんだ。
「やめてよ、お兄ちゃん乱暴だよ。こら無理矢理はよせ」
明日香が少しだけ笑って言った。僕はこのとき明日香をソファに押し倒したままの姿勢
で言った。
「有希さんと話をしてきた」
「・・・・・・え?」
明日香がふざけながら僕に抵抗していた体を凍らせた。「奈緒ちゃんにじゃなくて?」
「奈緒はレッスンを休んでたんだ。それで有希さんと話をした」
「そうか」
明日香が僕の体から離れて身を起こした。
「有希、怒ってた?」
「うん」
有希の反応は疑問の余地のないものだった。あれでは誤魔化しようがない。
「そうか・・・・・・」
「おまえと僕が付き合い出したことを聞いてさ。有希さんは自分がおまえに利用されたっ
て思っている。つまりおまえが僕と奈緒を別れさせるために自分の気持を利用したんだっ
て」
「・・・・・・あたし、あのときは本当に有希がお兄ちゃんと付き合ってくれればって思って」
「うん。おまえが僕のことを心配して奈緒と別れさせようとしていたことはわかってる。
でも結果的におまえと僕は付き合しちゃったから、有希さんは素直にはそのことを受け取
れなくなってるんだよ」
「・・・・・・うん」
明日香はさっきまでの元気を失って俯いてしまった。
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