7:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[sage]
2012/08/29(水) 00:13:59.76 ID:ogCHSW01o
それで初めて僕はその子の顔を見ることができたのだった。
それは僕がこれまで実際に会ったことのないほどの美少女だった。これまで僕は女の
子と付き合ったことはなかったし、年頃の女の子については妹のだらしない生活ぶりを
目の当たりにしていたおかげで全く幻想を抱いていなかった。
でもこの子を見た時、僕の中で何かの感情が揺り動かされたのだった。
普段から女の子と話すことが苦手な僕には考えられないことだったけど、僕はその子
と視線を合わせた時、自然に彼女に話しかけることができたのだった。
「君、傘持ってないの?」
僕の言葉に彼女は戸惑った様子だった。でも彼女は思ったよりしっかっりした声で僕
に返事をしてれた。
「あ、はい。今日は雨が降るなんて思わなかったから」
彼女の表情は僕に気を許したものではなかったけど決して警戒しているものでもなか
った。
「君も駅に行くの?」
僕は彼女に聞いた。
「はい。でも駅まで行く途中で濡れちゃいそうで」
「じゃあ駅までしか送れないけどそれでもよかったら一緒にどうですか」
その女の子の顔に一瞬だけ警戒しているような表情が浮かんだけど、彼女はすぐにそ
の表情を消した。
「いいんですか?」
「うん」
この時の僕は少女の整った可愛らしい顔を呆けたように眺めていたに違いない。
「多分降りる駅が違うから、そこの最寄り駅までしか送れないけど、それでもよかった
ら」
「ありがとう、じゃあお願いします」
女の子が言った。「駅まで行けば売店で傘を買えると思いますから」
僕は傘を開いて彼女の方に差しかけた。彼女は遠慮がちに僕の方に身を寄せてきた。
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