72:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[saga]
2012/09/04(火) 22:22:20.11 ID:j6ezIR3ko
「ナオちゃんってさ」
女さんが校門に向って連れ立って歩いている時に言った。「どっかで見たような気が
するんだよね」
「前からいつもあの電車みたいだから登校中に見かけたんじゃない?」
僕は言った。
「いや、そういうのじゃなくて。何だっけなあ。ここまで出かかってるんだけど」
女さんは首をかしげて考え込んだ。こうなると僕も女さんがどこで彼女を見かけたの
か気になってきた。
「おまえの記憶力は怪しいからな」
兄友が茶々を入れた。「ナオトもあまりマジになって受け止めない方がいいぞ」
「本当だって・・・・・・でも、ああだめだ。思い出せない」
「しかし綺麗な子だったなあ。しかも富士峰の生徒だし深窓の美少女って言うのはナオ
ちゃんみたいな子のことを言うのかな」
兄友が感心したように言った。
「本当にそうね」
女さんも同意した。
「本当にそうだよなあ」
思わず僕もそれに同意してしまった。自分の彼女なのだからひょっとしたらもっと謙
遜しなきゃいけなかったかもしれないのだけど。
「おまえが言うな」
案の定兄友に突っ込まれた。「彼女の自慢かよ」
「そうじゃないよ。でも自分でも何で彼女みないな子と付き合えることになったのか自
分でもいまいち理解できてなくて」
「そういうことか」
兄友が笑った。「まあ、あんまり考えすぎなくてもいいんじゃね? さっきのナオちゃ
んを見ていてもおまえのことを好きなのは間違いないみたいだし」
「そうかな」
「そうだよ。ナオト君はもっと自分に自信を持った方がいい」
女さんも言った。
兄友と女さんの言葉は嬉しかった。やはりナオは本当に僕のことが好きになってくれ
たのだ。何でああいう子が僕なんかをという疑問は残るけど、今はナオが僕のことを本
気で好きになったということだけで十分だと思うべきったのだろう。
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