747:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/12/20(木) 23:19:18.14 ID:tOg9VqEDo
この頃の麻季の僕に対する愛情は疑う余地はなかったけど、やはり夜の夫婦生活の方は
レスのままだった。奈緒人が一歳の誕生日を迎えた頃になると育児にも慣れてきたのか麻
季の表情や態度にもだいぶ余裕が出てきていた。以前反省して自分に約束したとおり僕は
麻季に拒否されてから今に至るまで彼女を求めようとはしなかったけど、そろそろいいの
ではないかという考えが浮かんでくるようになった。
まさかこのまま一生レスで過ごすつもりは麻季にだってないだろうし、いずれは二人目
の子どもだって欲しかったということもあった。
そんなある夜、久し振りに早目の時間に帰宅した僕は甘えて僕に寄り添ってくる麻季に
当惑した。奈緒人はもう寝たそうだ。その夜の麻季はまるで恋人同士だった頃に時間が戻
ったみたいなに僕に甘えた。
これは麻季のサインかもしれない。ようやく彼女にもそういうことを考える余裕ができ
たのだろう。そして表現やコミュニケーションが苦手な彼女らしく態度で僕を誘おうとし
ているのだろう。長かったレスが終ることにほっとした僕は麻季を抱こうとした。
「やだ・・・・・・。駄目だよ」
肩を抱かれて胸を触られた途端に柔らかかった麻季の体が硬直した。でも僕はその言葉
を誘いだと解釈して行為を続行した。
このとき麻季がもう少し強く抵抗していればきっと彼女も相変わらず疲れているのだと
思って諦めたかもしれない。でもこのときの麻季は可愛らしく僕の腕のなかでもがいたの
で、僕はそれを了承の合図と履き違えた。しつこく体を愛撫しようとする僕に麻季は笑い
ながら抵抗していたから。でもいい気になって麻季の服を脱がそうとしたとき、僕は突然
彼女に突き飛ばすように手で押しのけられた。
「あ」
麻季は一瞬狼狽してその場に凍りついたけどそれは僕の方も同じだった。
僕は再び麻季に拒絶されたのだ。
「ごめん」
「ごめんなさい」
僕と麻季は同時にお互いへの謝罪を口にした。
「ごめん。今日ちょっと酒が入っているんで調子に乗っちゃった。君も疲れているんだよ
ね。悪かった」
いつまで麻季に拒否されるんだろうという寂しさを僕は再び感じたけど、ろくに家に帰
ってこない亭主の代わりに家を守って奈緒人を育ててくれている麻季に対してそんなこと
を聞く権利は僕にはない。
「あたしの方こそごめんなさい。博人君だって我慢できないよね」
「いや」
「・・・・・・口でしてあげようか」
麻季が言った。それは僕のことを考えてくれた発言だったのだろうけど、その言葉に僕
は凍りつき、そしてひどく屈辱を感じた。
「もう寝ようか」
麻季の拒絶とそれに続いた言葉にショックを受けたせいで、僕のそのときの口調はだい
ぶ冷たいものだったに違いない。
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