791:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/12/31(月) 23:53:16.21 ID:AQ0OypmRo
「僕もこの間君に会ってから考えたんだ。謝ってくれて奈緒人を大切にしてくれる麻季と
やり直そうとした決心は正しかったのかって。麻季が僕のことを好きなことは間違いない
と思っているけど、少なくとも麻季の心の半分は先輩に取られているようだ。それなら毎
日僕に微笑んでくれる麻季は多少なりとも演技をしているわけで、麻季の気持ちに目をつ
ぶってそんな生活を維持することが本当に奈緒人の幸せになるのかって」
「先輩の気持ちはわかりますけど、麻季は現実逃避しているだけですよ。たまたまその相
手のうちの旦那が優しくしてくれるから自分の気持を勘違いしているんだと思いますけ
ど」
「君だって辛いのに麻季のことなんか庇わなくていいよ」
「そうじゃないです。麻季と旦那との関係は恨んでいますけど、麻季本人のことは恨んで
ません。親友だし彼女のことはよくわかっています。麻季は本心では結城先輩のことしか
愛していないと思います。今はうちの旦那との偽りの関係に酔っているだけですよ」
「もういいよ。今はお互いに自分のことだけを考えようよ」
「・・・・・・はい。もう少ししたら結論を出します。そうしたら旦那に別れを言いだす前に先
輩には連絡させてください」
「うん。わかった」
その数日後に僕は再び玲菜と会った。最初に彼女と会った社の近くの喫茶店で。
玲菜に呼び出されて緊張しながら店内に入った僕に気がついた彼女は立ち上がり僕に
深々と頭を下げた。
「お呼び立てしてごめんなさい」
「いや」
僕たちは向かい合って座った。注文したコーヒーが運ばれてからあらためて玲菜が頭を
下げた。
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