過去ログ - ビッチ
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799:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/01/02(水) 23:30:53.94 ID:/qHo0BApo

『最後だから言わせてください。あたしは学生時代から結城先輩に片想いしていまし
た。麻季が先輩と付き合い出したと教えてくれたとき、あたしは本当に目の前が暗くなる
思いでした。でも麻季は親友でした。麻季は昔から綺麗でしたけど性格に少し理解されに
くいところがあったので友人は少なかった。でもあたしはその数少ない友人、いえ親友で
した。だから先輩と麻季の結婚には素直に祝福したのです』

『その後、あたしは業界の繋がりで元の旦那に再会しました。しばらくして彼に口説かれ
て結婚したことをあたしはすぐに後悔しました。今までははっきりとは言いませんでした
けど彼は結婚直後から女の出入りが激しかった。浮気がばれたことなんて片手では収まら
ないほどでした』

『でもそれは元の旦那が自分が既婚者であることを明かした上での付き合いでした。とこ
ろがある日嫉妬と不安に駆られたわたしが彼の携帯のメールをチェックすると、彼は自分
が独身であると言って麻季を口説いていたことを知りました。麻季があたしの親友である
ことを彼は知っていたのに。その後のことは先輩もご存知ですね』

『先輩はわたしのことを強い女だと言ってくれました。でもそれは誤解です。わたしは弱
く卑怯な女でした。先輩から取材の依頼メールが来たとき、わたしは胸が高鳴りました。
本当はあのインタビューの件はわたしの上司の係長が担当することになっていたのですけ
ど、わたしはこの人は私の音大時代の親しい先輩だからと嘘を言って自分が担当になるこ
とを納得してもらったのです』

『お互いに伴侶の不倫を慰めあっているうちに恋に落ちる二人。そんな昼メロみたいなこ
とをわたしは期待して先輩をあの喫茶店に呼び出しました。そして、先輩はわたしが旦那
と別れるなら自分も麻季と別れるって言ってくれました。もちろんそれは先輩がわたしに
好意があるからではないことは理解していました』

『でも奈緒人君への愛情を切々と語る先輩の話を聞いているうちにあたしは目が覚めまし
た。奈緒人君から母親を、麻季を奪ってはいけないんだと。そしてその決心は自分の娘を
出産したときに感じた思いを通じて間違っていなかったんだなって再確認させられたので
す』

『本当に長々とすいません。あたしの先輩へのしようもない片想いの話を聞かされる義理
なんて先輩にはないのに。でもわたしは後悔はしていません。そして今では先輩が麻季と
やり直そうとしていることを素直に応援しています。生まれてきた子がわたしをそういう
心境に導いてくれました』

『先輩のことだから麻季の携帯のチェックなんて卑怯な真似はしていないと思います。わ
たしから先輩への最後のプレゼントです。昨日噂を耳にしました。最近荒れていた元旦那
に彼女ができたみたいです。わたしが元旦那に離婚を切り出したときも彼は平然として、
君が僕のことを信じられないならしかたないねと言っていました。その旦那が最近ふさぎ
こんでいることをわたしは知り合いから聞いていました。最初はわたしと別れたからかな
って思っていたんですけど、そうではないようです。やはり麻季が元旦那にきっぱりと別
れを告げたみたい。結局麻季は結城先輩を選んだのです』

『そして元旦那も麻季のことを諦めて、次のお相手をオケ内で調達したらしいです。いつ
までも独身で麻季を待つと言ったあのセリフはどこに行ったんでしょうね(笑)』

『これでわたしの非常識なメールは終わりです。先輩・・・・・・。大好きだった結城先輩。こ
んどこそ本当にさようなら。麻季と奈緒人君と仲良くやり直せることを心底から祈ってま
す』


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