851:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/01/16(水) 23:15:24.96 ID:by+6rqHIo
「どういうこと?」
僕は少し戸惑いながら理恵に聞いた。別に彼女は麻季と親しかったわけではないはずだ。
「わかるよ。麻季ちゃんのせいであたしは博人君に失恋したんだもん」
「何言ってるの」
「大学で博人君に再会したときさ、あたし本当にどきどきしちゃったの。生まれてから初
めてだったな。そんなこと感じたの」
大学時代、僕も理恵と結ばれるだろうと予感していたことを今さらながら思い出した。
麻季が僕の人生に入り込んで来るまでは僕は何となく理恵と付き合うんだろうなって考え
ていたのだった。。
「まあ、結局博人君は麻季ちゃんと付き合い出したからあたしは失恋しちゃったんだけど
さ」
「ああ」
「ああ、じゃないでしょ。あっさり言うな。でもさ、学内の噂になってたもんね、博人君
と麻季ちゃんって。とにかく麻季ちゃんって目立ってたからなあ」
「そうかもね」
「まあ、麻季ちゃんが何であんな冴えない先輩とっていう噂も聞いたことあるけどね」
「・・・・・・結局それが正しかったのかもな」
僕は呟いた。
「最初から間違ってたかもしれないな。僕と麻季はもともと不釣合いだったのかも」
「そう言うことを言ってるんじゃない」
少し憤った顔で理恵が言った。
そのとき、混み合った居酒屋の入り口から入ってきた二人連れの客の姿が見えた。
何かを言おうとした理恵がぼくの視線を追った。「あれ、麻季ちゃんじゃん」
それは恐ろしいくらいの偶然だった。僕は前回の一時帰国以来始めて麻季を見のだ。
麻季は男と一緒に店内に入り、店員に案内されて僕たちから少し離れたカウンター席に
座った。久し振りに見る麻季は外見は以前と少しも変わっていなかった。ただ、家庭に入
っていた頃より幾分若やいで見えた。それに全体に少し痩せたかもしれない。
カウンターで麻季の隣に座った男最初そうじゃないかと思ったのと違い鈴木先輩ではな
かった。そのとき、麻季と僕の視線が合った。
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