過去ログ - ビッチ
1- 20
929:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/02/05(火) 23:59:49.62 ID:eaEKmUkFo

「・・・・・・何で子どもたちを何日も放置したまま家を空けた?」

 僕は力なく言った。もう上手に彼女から考えを引き出す自信なんて消え失せていた。以
前と全く変わらない様子で僕を見つめて微笑んでいる麻季は、僕の妻だった頃の麻季では
ないことはもちろん、大学の頃の不可解な麻季ですらなかったようだ。麻季のしたことを
許せはしないまでも、事情を聞けばその行動が少しでも理解できるだろうと思っていた僕
が甘かったようだ。

「口がお留守になってるよ。もっとちゃんと食べないと」

「食べるよ・・・・・・だから答えてくれ」

「ちょっとだけあなたを愛し過ぎちゃったからかな。あたしを放って家を空けた博人君に
も原因があるのよ」

「寂しかったからとか陳腐な言い訳をするつもり?」

「あなたがいなくて寂しかったのは事実だけど、それだけじゃないの。あたしも努力した
んだけど我慢できなくなって」

「抱いてくれる男がいなくなって我慢できなくなったってことか」

 思わず情けない言葉を口にした僕はそのことに少しだけ狼狽した。

「何度でも言うけど今でも昔と変わらずにあなたのこと愛してる。いえ、会えなくなった
分、昔より何倍もあなたが好きかも」

「わかんないな。僕のことを愛しているなら何で男を作って家出することになるんだよ」

「だから最初に言ったでしょ。奈緒のこと」

 僕はもう麻季を問い詰めることを諦めて彼女に好きに喋らせることにした。今夜は帰れ
ないかもしれないな。腕時計をちらっと見て僕はそう覚悟した。

 やがて麻季が微笑みながら話し出した。


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
1002Res/1204.35 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice