95:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[saga]
2012/09/06(木) 22:15:39.09 ID:04B86Ztno
「ごめんね」
ナオが言った。
「ごめんって何で」
「みんな噂好きだからすぐにああいうこと聞いてくるんですよ」
「別に気にならないよ。君の方こそ僕なんかが待っていて迷惑だったんじゃないの」
僕は思わずそう言ってしまってすぐにそのことに後悔した。ナオが珍しく僕の方を睨
んだからだ。
「何でそんなこと言うんですか? あたしは嬉しかったのに。ナオトさんが待っていて
くれるって思うとレッスンに集中できないくらいに嬉しくて、集中しなさいって先生に
怒られたけどそれでも嬉しかったのに」
「ごめん」
僕は繰り返した。またやらかしてしまったようだ。でもナオはすぐに機嫌を直した。
「ううん。あたしこそ恥かしいこと言っちゃった」
ナオは照れたように笑った。
この頃になると周りにはピアノ教室の生徒たちの姿はなくなっていた。
「一緒に食事して行ける?」
僕はナオに聞いた。
「はい。さっきママに電話しましたし今日は大丈夫です」
「じゃあファミレスでもいいかな」
ファミレスでもいいかなも何もファミレス以外には思いつかなかったのだけど、とり
あえず僕はナオに聞いた。
「はい」
ナオは嬉しそうに返事した。
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