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953:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/02/11(月) 00:24:57.00 ID:ER1rVJ59o

 冷静に考えれば無理はないのかもしれない。何しろ博人に夢中だった麻季は、在学中も
卒業後も怜菜とはほとんど一緒に過ごしていなかったのだから。それでも卒業後に麻季は
自分の披露宴に怜菜を招待したし、久し振りに会った彼女も式の前に目を輝かせて麻季の
ウェディングドレス姿を見て「麻季きれい」と言ってくれたのだ。

 その怜菜は自分の披露宴には麻季を呼んでくれなかったのだ。

「海外とかで二人だけとか親族とかだけで式を挙げたんですか」

 少しだけ先輩が気まずそうな表情で答えた

「普通に都内のホテルだったと思うけど、あたしも呼ばれてないから。でも、結構うちの
大学とかサークルの関係者が招待されたみたいよ」

「怜菜ってどういう人と結婚したんですか」

 怜菜への失望を押し隠して麻季は先輩に聞いた。

「怜菜の結婚のことを知らないんじゃ相手のことも知らないか。えーとね。あたしより一
年上の鈴木雄二って先輩・・・・・・というか、あんたの元彼じゃなかったっけ」

「・・・・・・鈴木先輩はあたしの元彼じゃありません。あたしが大学時代に付き合ったのは今
の旦那の博人君だけですから」

「ああ、そうだよね。あんたと結城君っていつも一緒だったもんね」
 少しだけ慌てた表情で先輩は取り繕うように言った。「何かさ。怜菜と鈴木先輩って卒
業後に鈴木先輩のオケの定演でばったり出会ったんだって。怜菜って首都フィルで事務や
ってるでしょ? 鈴木先輩の横フィルと首都フィルってよく合同でイベントとかしてるみ
たいで、その縁でそうなったみたい」

 先輩の話は麻季の耳に入っていたけど彼女は半ばそれを聞きながらも心の中ではいろい
ろな疑問が浮かんできていた。

 怜菜は博人君を慕っていたはずだった。それは多分麻季の思い違いではないだろう。そ
してそんな怜菜が鈴木先輩に惹かれていたたなんていう話は怜菜から一言だって聞いたこ
とがない。もちろん卒業後のことだし、鈴木先輩はイケメンだったから怜菜が改めて彼に
惹かれて結婚したということもあり得るかもしれない。でも麻季が怜菜の気持を気にし
ながら博人と付き合い出したことを彼女に告げたとき、玲菜はこう言った。



『鈴木先輩は絶対落ち込むよね。付き合ってた彼女を後輩に取られちゃったんだもんね』

『あたし鈴木先輩の彼女だったことなんかないもん』

『・・・・・・抱き合ってキスしてたくせに』

『突然先輩からされただけだよ』

『あっちはそう思ってないって』

『まあ、でも鈴木先輩には悪いけど、付き合うなら結城先輩の方がいいよね。安心できそ
うだし』


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