963:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/02/11(月) 23:29:07.93 ID:ER1rVJ59o
『やっぱりこれは怜菜の罠だよ。先輩と怜菜が結婚したのは、君への復讐なんじゃない
の?』
心の声が響いた。そしてこれまでその声を聞く一方だった麻季は初めてその声に心の中
で反論した。
『意味不明じゃない、そんなの。あたしに隠すくらいなら最初から二人が結婚する必要な
んてないでしょ』
心の声は待っていたとばかりに反論した。
『そうとも言えないんじゃない? 多分さ、先輩はこの後君のことを誘ってくると思う
な』
『無駄なことじゃん。あたしが博人君を裏切るなんてあり得ないでしょ』
『そんなことは言わなくてもわかってるって。でも問題は先輩の方じゃない。怜菜が何を
考えてるかでしょ』
『・・・・・・どういう意味よ』
『先輩の考えていることなんてわかりやすいでしょ。君と寄りを戻すっていうか、君のこ
とを抱きたいんでしょ。こういう男が考えそうなことだよね』
『だからそんなのは無駄な努力だって』
麻季の反論を無視してその声は続けた。
『問題はさ、君の言うとおり怜菜が何を考えているかだよ』
『どういう意味?』
「麻季ちゃん、よかったらメアドとか携帯の番号とか交換してくれる?」
「・・・・・・何でですか」
「いや・・・・・・音楽のこととか同窓の友人たちの情報交換とか君としたいと思ってさ」
「あたしは家庭にこもってますから、先輩には何も教えられないと思います」
「それでも情報は大切だよ。僕の方は麻季ちゃんに教えられることは結構あると思うよ」
いつのまにか先輩は麻季のことを結城さんではなくて麻季ちゃんと呼び出していた。
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