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966:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/02/11(月) 23:43:12.03 ID:ER1rVJ59o

『私の言ったことが正しいかどうか試してみればいいと思うよ』

『・・・・・・どうやって』

『簡単じゃん。鈴木先輩に一回だけ抱かれてみればいいんだよ。鈴木先輩は君を落す気
満々だし』

『いい加減にしなさいよ。あたしが博人君を裏切れるわけがないでしょ』

『試すだけなんだから裏切りにはならないよ。それに君は博人君の君に対する愛情を本当
には信じ切れてないみたいだね』

『そんなわけないでしょ。あんたなんかに言われたくないよ』

『いや。君が一回だけ先輩に抱かれたことがわかっても博人君は君を許すよ。君はそれだ
け彼に愛されていると思うんだけどなあ』

『それならなおさら博人君を裏切っちゃだめでしょ』

『それは正しい。怜菜さえ存在しなければね。でも怜菜は強敵だよ。彼女は控え目で可愛
らしいけど芯は強い。今のうちに怜菜の目的を理解して手を打っておくべきだよ』

『馬鹿なこと言わないで。それにあたしが先輩に抱かれたら怜菜がどうするっていうの
よ』

『さっき言ったとおりだと思うよ。怜菜は旦那に浮気された被害者として博人君に接触す
るでしょ。そしてお互いに伴侶の不倫を慰めあっているうちに恋に落ちるなんていう筋書
きを書いているんじゃないかな。怜菜って旦那と親友のひどい仕打ちに耐え忍んでいる聖
女とか天使とかっていうイメージじゃん』



 麻季はそのときは別に動揺しなかった。心の声も愚かなことを言うものだ。たとえその
声が言っていることが正しくて怜菜がそういうことを仕掛けていたとしても麻季が鈴木先
輩に靡かなければ無意味な話なのだ。怜菜のことなんかもう放っておけばいい。そして博
人君の愛情も疑わなければそれでいい。

 先輩と連絡先を交換したそのときは麻季はそう思っただけだった。

 それなのにそれからしばらくして麻季は怜菜の意図を図りかね、それを知りたくてどう
しようもなくなってしまった。もちろん博人と一緒にいるときや奈緒人の面倒をみている
ときは少しもそういう気は起こらない。でも博人の不在時に奈緒人がお昼寝を始めると、
彼女は親友だったはずの怜菜のことが頭にこびりついて離れなくなるのだった。

 そして決して考えるべきでもなく試すべきでもないこさえ麻季の脳裏を占めるようにな
った。彼女はこんなにも博人君を愛している。多分博人が万一浮気のような過ちを犯した
としても麻季は結局それを許すだろう。でも博人はどうだろう。麻季が先輩と過ちを犯し
たとしても彼は麻季のことを許してくれるのだろうか。


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