983:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/02/13(水) 22:57:01.73 ID:kDGj/IPLo
「悪かったよ」
麻季の涙を見て後悔したように博人はさっきの冷たい口調を改めて言った。
「ごめんなさい」
「君のせいじゃないよ。僕のせいだ。君が奈緒人の世話で疲れてるのにいい気になってあ
んなことしようとした僕の方が悪いよ。本当にごめん」
麻季は俯いたままだった。
『先輩との浮気を告白するなら今がチャンスだね』
『あたし、これ以上博人君に嫌われたくないよ』
『博人を信じようよ。博人は君を愛している。きっと君の浮気を許すだろう。そうしたら
君の悩みの一つはそれで解決でしょ。これでもう二度と君は彼の愛情を疑うことはないだ
ろう』
『・・・・・・・あたし恐い』
『勇気を出しなよ。大学時代に君のことなんてどう思っているかもわからない博人のア
パートに押しかけた勇気を思い出しなさい』
『だって』
『まず博人の愛情を確認しようよ。それから親友だった怜菜の感情を探らないとね。知り
たいんでしょ? そして安心したいんでしょ』
『あんなことを告白しちゃったらあたし博人君に捨てられるかも』
『大丈夫だよ。むしろ、このまま何も手を打たないと怜菜に博人を取られちゃうよ』
麻季はまたその声に従ったのだ。
「ごめんなさい。謝るから許して。あたしのこと嫌いにならないで」
「謝るのは僕のほうだよ。まるでけものみたいに君に迫ってさ。君が育児と家事で疲れて
るってわかっているのに。仕事にかまけて君と奈緒人をろくに構ってやれないのに」
「本当に好きなのはあなただけなの。それだけは信じて」
「わかってるよ。落ち着けよ」
混乱している彼女をなだめるように博人は言った。
「あなたのこと愛している・・・・・・あなたと奈緒人のこと本当に愛しているの」
「僕も君と奈緒人のことを愛してるよ。もうよそうよ。本当に悪かったよ。君が無理なら
もう二度と迫ったりしないから」
「違うの。あなたのこと愛しているけど、あの時は寂しくて不安だったんでつい」
混乱した声で麻季は鈴木先輩と寝てしまったことを話し始めた。
「・・・・・・え」
博人は予想すらしてなかった麻季の告白に凍りついた。
「一度だけなの。二回目は断ったしもう二度としない。彼ともちゃんと別れたし。だから
許して」
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