過去ログ - 【聖杯戦争】やる夫はステゴロワイヤーアクションで戦うようです
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10: ◆ylCNb/NVSE
2012/08/29(水) 01:00:15.81 ID:I1Z6pX9g0

 本当に剣がひとりでに私たちをねらったのだわ。と真紅はつぶやいた。

 今のを僕に説明してくださいますよね。とできる夫はいつもの通りになって、
私と真紅の後ろでペンとメモ帳を構えて待っていた。
さっきまでの死にそうな様子とはうって変わって活き活きとした目で訴えかける。

 さあ、僕にわかるように、誤魔化せば為になりませんぞ。と被せを効かせる。
真紅は呆れ顔で私を見て、私も、やれやれ、とにかく、ここを離れよう。とだけ答えると。

 今度は階段からお願いします。二度とあんな思いはこりごりです。とできる夫は
真紅の荊棘を指差していった。

 数日の航海を経て、我々はニッポンに辿りついた。
数年前、フユキでの聖杯戦争は失敗したらしく、聖堂教会や魔術師協会が監視に乗り出すというので、
例の《対邪神組織》は邪魔されまいと手を尽くしているらしい。

 彼等の手となる魔術師やその助手たちがニッポンのあちこちで海外から渡ってきた魔術師を
監視し、付け狙っているというので、私はまず言葉を理解できるようになる油と
しるべの役となる粉の小瓶をそれぞれ真紅とできる夫に渡した。

 どうしてもポーカス・ホーカスと唱えなきゃいけないのかしら。と真紅は不機嫌につっかかる。

 ポーカス・ホーカスとは「インチキ」という意味だが、俺はこの響きを気に入っている。
それに、この一言で自由に魔術礼装を操れるのは、個人的には発明だと思っているぐらいだ。

 では、まず遠坂家や間桐家を尋ねる、というのはどうでしょう。とできる夫。

 伊勢の聖杯戦争がフユキのそれを模した物ならば、事前の情報を当事者から
得られるのではないかという意見だったが、私は遠坂とかいうニッポン人の、
しかも新しすぎる魔術師の家系というのが気にかかった。

 間桐ことマキリやアインツベルンはその名を魔術に関わるものなら聞いたこともある名家だったが、
あまり評判は良くなく、遠坂というのはこれまで聞いたことがなかった。

 つまるところ、私は得体の知れない連中が組んで、こんな辺鄙な島国でこそこそと
儀式を執り行う、この聖杯戦争の「始まりの御三家」は信用ならないときっぱり決めつけた。



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