過去ログ - 【聖杯戦争】やる夫はステゴロワイヤーアクションで戦うようです
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2: ◆ylCNb/NVSE
2012/08/29(水) 00:55:59.19 ID:I1Z6pX9g0

 ランプの炎が勢い良く虫を落とす。

 1927年、魔術師としてはかなり古い、ただ全くの無名な我がビップ家は10代の係累を重ね、
私の代までこれといった研究成果も自慢できる魔術礼装すら持ち合わせてはいない。

 極東の地で行われる「伊勢聖杯戦争」に私が参加するきっかけとなったのは知り合いの
新聞記者が謎の変死体をタイムズスクウェアで発見したという話を耳にした時だった。

 知り合い、友人と呼びたくないこの嫌味な男は私が魔術師であることは知らない。
だが私は東部移民の家系で、自分の先祖が十字軍に参加した騎士の末裔だとか
カール大帝と共に遊歴した貴族の子孫を自慢する連中のひとりだと決め付けている。

 たしかに世間から見れば私は名実ともに没落貴族という体だ。
魔術師としての始まりも、貴族としての零落も、まさにそこから始まっている。

 スリーピーホロウの首なしのドイツ騎士の伝承はNYでは知らぬ者のいない昔話だ。
独立戦争に参加した没落貴族のドイツ人傭兵が首を取られた後も、血を求めて夜を騎行する。
イギリス系移民やイタリア系移民はこぞって我々、ドイツ系移民をそういう目で見る。

 できる夫がこの奇っ怪な事件を私に話したがったのは
私をそういう目で見、からかってやろうという性根から来ている物だろう。

 さあ、ビップさんはこういう話がお好きでしょう?
隠さなくてもいいじゃないですか。あなたがたドイツの人は血や鉄砲や爆弾の話が
一日でも口に登らないことのない人たちじゃないですか。とできる夫はにやにやと話しだした。

 私も、確かに。と返してから、俺の先祖は国のために戦ったし、戦争を野蛮だとか言いたくはないだろ。
でも俺は商売仲間と鉄砲や爆弾の話をしたとしても、それは仕事の話で、趣味じゃない。
カナダやメキシコとも戦争があるだろうから、仕入れは必要だからな。と反論はしておいた。



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