過去ログ - 【聖杯戦争】やる夫はステゴロワイヤーアクションで戦うようです
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23: ◆ylCNb/NVSE
2012/08/30(木) 18:41:04.70 ID:K8r29XpB0

 大佐の言葉はあながち間違ってはいない。
それに魔術師たち、閉鎖的な世界の人間に常識を論じられたところで彼は引き下がらないだろう。

 待ってください阿部大佐。と私は意を決して大佐に詰め寄った。
大佐が魔術師ではないなら、どうして魔術師だけの聖杯戦争に参加できたのですか?

 聖杯の意思。とだけ答えて、大佐は私を相手にしなかった。

 ところがここでやらない夫の体に異変が生じた。
いきなり大声を上げて倒れると、右手を全身でかばうように床の上でのたうち回り始めたのだ。

 真紅嬢と私がやらない夫の容態を案じ、大佐に助けを求めようとすると、
大佐は自失しつつ、顔を青くしてやらない夫の様子を見守っていた。

 大佐と我々が呆然としているうちにやらない夫を襲った異変は止んだようで、
よろよろと立ち上がって、右手を省みると、大佐のアザと同じ幾何学的な紋章が生じていた。

 外では部屋の異変を察知して数名の兵士が躍り出た。

 ま、待て。と声を荒げて大佐は一旦、兵士たちを制した。
真紅嬢と私の背後にそれぞれ兵士が立ち、うずくまるやらない夫にも一人の兵士が拳銃を向けた。

 阿部大佐、これは一体。と兵士は狼狽え、しばらくして大佐はようやく言葉を見つけたように返した。

 ビップが「令呪」を授かったようだ。という言葉を聞くやいなや、兵士のひとりが発砲した。

 私と真紅嬢がやらない夫を確かめると、撃たれたと思ったやらない夫自身も無事を驚いているところだった。

 そして私たちの前に、やらない夫と兵士の間に、珍奇な格好をした東洋人が立っていた。
インクで黒く塗られた顔は、東洋のそれだと辛うじてわかる程度だったが、
小柄な体型や身にまとう黒い衣装は、中国人の漢服に似ていたように感じられた。

 男は兵士の腕を握り、拳銃の先を反らせやらない夫を守っていた。
大佐は男に、アサシン、よくやった。と声をかけると、黒塗りの男は淡々とした調子で、
お前も死なせるには惜しい。ととっさに拳銃を撃った兵士の判断を認めつつ姿を消した。



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