過去ログ - 【聖杯戦争】やる夫はステゴロワイヤーアクションで戦うようです
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◆ylCNb/NVSE
2012/09/02(日) 00:14:54.13 ID:7ShsGcqB0
できる夫はすでに真紅の血の匂いで吐きそうな顔で、一歩も動けそうにない。
阿部は引き抜いた拳銃を落とし、拾おうと身をかがめて腰の軍刀が邪魔してその場で倒れ、
冷たい床の上を赤ん坊のように這い回りながら、右往左往している。
一方、真紅のはだけた胸の傷は荊棘によって縫い合わされ、
倒れたまま、彼女は反撃の機会を密かに伺っていることを私は確認すると、アサシンに対峙した。
攻撃翌用の魔術礼装は手元にある。ビップの魔術礼装は、阿部大佐やほかの魔術師から見れば
何の変哲もない普通の雑貨に過ぎないよう擬態されているからだ。
「やめるお!」というやる夫の忠告は遅かった。
沈黙を保ち、アサシンは完全に姿を消したのだ。いや、正確には気配を消した、というべきか。
次の瞬間、「愚か者!」という声と共にアサシンの持つ短刀が私の目の前で停止する。
目を凝らせば、糸のようなものが幾重にもアサシンと、部屋中とを巡って、奴の体の自由を封じている。
アサシンも私も、それが何かを理解できず、言葉すら失って立ちすくすしかなかった。
次の瞬間に、私とアサシンは糸を目で追う。伸びる先に、糸はやる夫の両手につながっている。
やる夫が左手を上げるとアサシンは藁のように部屋の端にまで吹き飛び、
右手と共にやる夫の手前まで引き戻され、壮絶な左の正拳を受けて倒れた。
鼻が折れ、ポテトサラダのように潰れた頭部からはおびただしい黒い血が流れ出した。
まさに一瞬だった。
やる夫は同じ要領で、青くなったできる夫と真紅を拾い上げると
「さあ、皆でここを脱出するお!」というと、私たちの真上の天井は崩れ落ちた。
落ちる瓦礫は吸い寄せられるように私たちを避けて床に落ちると、
まるで母親が子供を抱えるような優しい力で私たちは開いた穴から上の階へと運び上げられた。
しかし異変に気づいた兵士たちが、次々にやる夫に襲いかかる。
やる夫はそれらを次々に相手取って行く。ある兵士は倒れる机に挟まれ、ある兵士は
蜘蛛の巣にかかった蝶のように中空に架けられたまま置き去りにされた。
敵兵たちをいなしつつ、外に出るとやる夫は軽く右手で何かを呼ぶように手を振った。
すると駐車場に止まっていた黒塗りの車が私たちの目の前にひとりでに引き出された。
「さあ、乗るお!」というとやる夫だけ車の天井に飛び乗って、ドアを開いて私たちを車内に招いた。
「そこは違うだろ!」と私がやる夫に言うが、「気にするなお!」とのこと。
そこが本来、乗るべき場所でないことは理解している様子だった。
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