過去ログ - 【聖杯戦争】やる夫はステゴロワイヤーアクションで戦うようです
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◆ylCNb/NVSE
[saga]
2012/09/03(月) 09:46:09.30 ID:7ECcEwQ80
アーチャー曰く、彼の千里眼を以てすればまつ毛の先に載せた”泓(ふけ)”さえも、
牛よりもはるかに大きく見えるという。落ちる木の葉を撃ち、敵手の矢をも射抜くと言う。
放つ矢は遠く、七人の兵の鎧を貫いても勢いを落とさないという。
「けど、弓矢がなければただの爺さんだ。どれだけ目が良くても。」
僕の言葉にアーチャーはこう返した。
「”ますたあ”よ、例い定規を使いなさって綺麗に線を引いた処でそれを名人芸と呼びなさるか?」
アーチャーの言っていることは理に適うようで、やはり外れている。
弓の名人とはいえ、弓を持たずに何を射抜けるというのか。
それともこれはどんな道具であっても選ばず、使いこなして相手に当てる自信があるのか。
探し回った挙句、僕の目でもかろうじて見える位置に鳥が飛んでいるのを見つけた。
「ほうほう、これは近すぎてかえって難しいかも知れません。」
アーチャーの戯言を無視して、いいから撃って見せろ。と急かした。
それでも「これではつまらぬ。」とアーチャーがいうと、近場の石を次々と重ね始めた。
大小の石を正確に積み上げるアーチャー。僕の腰までの高さにまで積み上げると、
鳥は初めの位置よりだいぶ遠くまで飛んでいった様子である。
「まだ、見えなさるか”ますたあ”様よ。」とアーチャー。
目が慣れたのか、前よりも遠くの鳥が見える。
「あれはもう”ますたあ”様の思うより遠くにござるぞ。さあ、始めまする。」
そういって不安定な石の上に勢い良く飛び乗った。
依然としてアーチャーの手には何もない。どうするつもりだ。
僕が見守っているあいだにも、何もしないまま鳥はどんどん遠くに飛んでいく。
次の瞬間、アーチャーが突然振り向くと「ほれ、何も持っておりません。」
と自分が弓やその代わりとなる物を、何も持っていないことを確認させた。
「いい加減に撃て!」と僕が意を決して怒鳴ると、アーチャーは
それを合図に素早く身を反転させ、背後の鳥を瞬く間に射抜いた。
ほんの一瞬だったが、アーチャーは驚く程に正確な動きで反転し、素手のまま鳥を射た。
素直に驚いた。不安定な積み石の上であること、加えて早撃ち、しかも素手である。
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