過去ログ - 【聖杯戦争】やる夫はステゴロワイヤーアクションで戦うようです
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6: ◆ylCNb/NVSE
2012/08/29(水) 00:58:23.16 ID:I1Z6pX9g0

 私は一族の書庫からは、この極東の地にまつわる文献がなかったため、
比較的信頼できる知人の魔術師に頼み込んで書庫を開放してもらっていた。

 どうしてこんな辺境の島国に関する文献を揃えたんだ。と私は真紅に訪ねた。
彼女は私と違い、せいぜい200年しか続いていないが、隆盛を誇る家系である。

 ひそかに私は彼女を、できれば彼女との間に子孫を儲けて、せめて家名に誉れを、
などと臆面もなく考えているのだが、彼女は承知しないであろう。常識的に考えて。

 芸術にはあいかわらず興味がないようね。と真紅はつんけんな態度だ。

 19世紀、欧州では中国や亜細亜の文化が人気を博し、様々な美術品や工芸品が
もてはやされジャポニズムやアール・ヌーヴォといってホイッスラーやラ・トゥールなどの芸術家が
影響を受けたり、美術品を自ら収蔵していたという。

 真紅の先代もジャポニズムに傾倒した魔術師であり、漢字の辞典や研究を重ね、
魔術礼装や呪文に日本語を取り入れようとか、かなり無理をしていたらしい。

 なあ、俺たちもその聖杯戦争に咬んでみないか。と私は切り出した。

 別に構わないのだわ。お互いどちらかといえば文筆家を目指すような魔術師じゃないし、
ビップ家としては”ノヴァラの裏切り”で被った汚名を雪ぐ、いい機会じゃないかしら。

 真紅は軽々とその言葉を口にしてから、私の顔を見て、すぐに謝罪してくれた。

 そう、あの事件は歴史の教科書に残るほど、我がビップ家に痛手を残した事件なのだ。
それほど魔術師としては名高くないビップだが、俗人としては不名誉ながら歴史に名を残させてもらっている。

 だが確かに元はビップも貴族だ。戦ってこそ貴き家系に名を記した末裔としての誉れも立つ。
真紅、俺とで良ければニッポンに渡って欲しい。と私は思い切って彼女の手を取った。

 声が見事に上ずって、情けなく滑べらせた手は彼女の指の先だけを握っていた。
それでも彼女は、貴方が何かを成し遂げるとしたら、私以外と、なんて有り得ない。と言ってくれた。



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