4:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方)[saga]
2012/08/29(水) 23:50:55.57 ID:x68eWxlN0
姉「ん?ああ、今日はあんたの当番なのに起きるの遅いからやっといてあげた」
朝食を食べ終えたお皿を重ねこちらにやってきながら、お姉ちゃんが言う。
私の前には二人分のお弁当箱。一方はピンクの花柄のナフキンに包まれ、もう一方はただおかずが詰め込まれただけで放置されてある。
どちらが私のものかは言うまでもない。
こういうところがなんともお姉ちゃんらしい。そう思いながらも、「ありがと」と一応形だけのお礼は言っておく。
私たちは二人暮らしだった。
父親は物心ついた頃からいなかったし、母親は私が小学校五年生のときに他界。残ったのは私とお姉ちゃんだけで、だからこのお弁当も、朝、昼、夜の食事はもちろんのこと、
家事一切を当番制で分担しなんとか生活していた。
姉「じゃ、私もう行くからね」
私が自分のランチバックにお弁当をいれている間に、お姉ちゃんはすっかり準備を終えてしまって家を出て行く。
お弁当を詰めたかわりに、今日もまた朝食の皿洗いは私に任せるつもりらしかった。「いってらっしゃい」と声をかけ、私は溜息をつきたいのを我慢して朝食用のパンをトースターに放り込んだ。
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